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[試合後会見]2018.11.7

意地と意地がぶつかり合った!

壮絶な打撃戦
 日本ミドル級挑戦者決定戦が7日に後楽園ホールで開催された「ホープフルファイト.29」のメインイベントで行われ、前日本同級王者で現在は同級1位の西田光(31=川崎新田)と同級2位の加藤収二(28=中野サイトウ)が激闘を繰り広げた。観客席でチャンピオン竹迫司登(27=ワールドスポーツ)が見つめるなか、挑戦権を手にしたのは――。
加藤が接戦を制した
 初回、サウスポー加藤が、ジャブを飛ばしながら左ストレートを好打し、懐に入りたい西田を突き離した。先手を取られた西田は、ボディをコツコツと当てて体力を削りにいくが、加藤の鋭いパンチを浴びた。4回、単発の左ボディを食らった加藤だが、忙しく動きながらワンツーをヒットしポイントを加点。西田も5回は圧力を強め、距離を詰めては左ボディを叩き、ラウンド終盤に右フックでダウンを奪った。失点した加藤は次の回の打撃戦に応じたが、西田の手数に押されてロープを背負う。最終8回は懸命にパンチを繰り出し試合終了のゴング。好勝負を演じた両者に惜しみない拍手が送られた。ジャッジに委ねられた採点は割れたが、2者の支持を得た加藤が接戦を制した。
荒川さんには絶対に勝ってほしい
 前王者に競り勝った加藤は、「下がると負けてしまうのでジャブでプレスをかけて、相手に前に出させない作戦だった。ダウンしたが焦らず立て直そうと思った。ボディは徹底的に鍛えてきたのでそれが試合で活きた」と目を輝かせた。
 タイトル初挑戦が決定し、「竹迫さんは西田さんとはまた違う圧力があるので作戦を立てて遂行する」とベルト奪取を誓った。現在プロ選手は2名の中野サイトウジム。加藤は12月23日(日)に全日本新人王決定戦に出場する同門の荒川竜平(29)に勝利のバトンをつないだ。
やり切った表情を見せた西田
 一方、猛追するも僅差で敗れた西田は、「途中から相手の体力を削ることができたが、攻撃の幅が少なく崩し切れなった。採点は負けていると思った。加藤選手は体が強くて良い選手だった」と試合を振り返り、壮絶な打撃戦を繰り広げた拳友を称えた。 手痛い連敗を喫した西田は、「調子は良かったが届かなかった。これでスッパリと辞められます」とグローブを吊るす意向を示した。
竹迫司登
 試合後には竹迫がリングに上がり勝者の加藤とフェイスオフ。竹迫は「2人ともタイトル挑戦に懸ける思いがすごかった。西田選手ともう一度やってみたかったが、前に進むだけなので相手は誰でも関係ない。しっかり準備して迎え撃ちます」と自信満々に拳を握った。
採点表