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[ニュース]2011.4.24

決戦の舞台②

 5月7日(日本時間8日)のマニー・パッキャオ(比)対シェーン・モズリー(米)の対決まで2週間あまり。今回は、決戦の舞台となる米国ネバダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナを紹介しよう。
MGMグランドガーデン・アリーナ
MGMグランドガーデン・アリーナ②

 「JCスーパースター」ことフリオ・セサール・チャベス(メキシコ)が13度目の防衛戦で迎えた相手は、32歳のフランキー・ランドール(米)。挑戦者は51戦48勝(39KO)2敗1分の戦績を誇っていたが、90戦不敗(89勝77KO1分)のチャベスの敵ではないと見られていたのである。オッズ(賭け率)は20対1でチャベス有利。
 しかし、チャベスは絶不調で、加えてローブローのため2点の減点も科されてしまった。ほぼ互角の展開で迎えた11回、チャベスはランドールの右を浴びて背中からキャンバスに落ちるダウン。スーパースターが91戦目にして初めて喫したノックダウンだった。これが決め手となって判定は2対1でランドールに挙がった。
 こうしてスタートしたMGMグランドガーデン・アリーナの歴史は、その後も数々の番狂わせで彩られている。
 イベンダー・ホリフィールド(米)がマイク・タイソン(米)をヘビー級王座から引きずり下した一戦(11回TKO=96年11月)、再戦でタイソンがホリフィールドの耳を噛んだのも、この会場だった(97年6月)。
 パッキャオ自身の運気が大きく開けたのも、このMGMグランドガーデン・アリーナにおいてだった。2001年6月、代理として臨んだIBF世界スーパーバンタム級王者リーロ・レジャバ(南ア)への挑戦試合。そして、不利の予想のなかで圧勝したオスカー・デラ・ホーヤ(米)戦も、この会場だった。さらに加えれば、ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)から初回に3度のダウンを奪ったのも、リッキー・ハットン(英)を左一発で失神させたのも、そしてミゲール・コット(プエルトリコ)を最終回にストップして5階級制覇したのも、すべてこのMGMグランドガーデン・アリーナのリングだった。パッキャオにとっては極めて験の良いリングといえるだろう。
 一方のモズリーにとっても思い出深い会場となっている。デラ・ホーヤとの再戦で判定勝ち、フェルナンド・バルガス(米)との再戦でTKO勝ちを収めているのだ。1年前にフロイド・メイウェザー(米)に判定負けを喫した場でもあるが、ここは苦い思いを払拭するためにも1年ぶりの“雪辱"を狙いたいところだ。
 2011年5月7日、パッキャオ対モズリー。MGMグランドガーデン・アリーナの歴史に、新たな伝説が加わる。