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[豪州だより]2018.5.16

「双子で無敗」のスター対元世界王者

現地に着いた高橋トレーナーと河野
 オーストラリアで競技人気をけん引する双子ボクサー、ジェイソン&アンドリューのモロニー兄弟のうち、ジェイソンとのWBAオセアニア・バンタム級タイトルマッチを控えている河野公平(ワタナベ)が16日・朝に開催予定地、ビクトリア州のメルボルン市に到着。高橋智明トレーナーと郊外の宿舎に滞在している。試合は19日の現地時間18時から市内中心にあるタウンホールでの興行で、8試合目のメインイベントとして行われる。アンドリューの試合は6試合目に予定されており、兄弟そろってプロデビュー以来の連勝記録を17に伸ばそうとしているが、河野はアンドリューの対戦相手も意気投合し、敵地で凱歌をあげようとしている。
豪州で戦ったファイティング原田の写真を見せてくる送迎スタッフ
 16戦16勝(10KO)無敗のアンドリューの相手はリチャード・クラベラス(フィリピン)で昨年6月に後楽園ホールで河野の後輩、中山佳祐(ワタナベ)との東洋太平洋フライ級王座決定戦でスプリットの判定負けを喫した選手だ。「昨日の敵は今日の友」というより南半球への遠征で同じ境遇のアジア人に親近感が高まり、河野&高橋トレーナーは、ホテル到着後、一緒に大型マーケットで食糧を調達。助け合ってお互いに勝って帰ろうと結束した。
チームアジアをクラベラス陣営と結成した
 オーストラリア北部メルボルンの気候は「一日に四つの季節がある」といわれるほどデリケートだが、滞在中の天気予報はすべて「雨」。だがいざ来てみると空は曇ったまま、日没を迎えた。16戦16勝(13KO)のジェイソン戦に臨む河野は、滞在して最初の予定である血液検査を市内の診療所で行った際、「前日計量の時間を18時より早められないか」とプロモーターに相談したところ「イベント開催24時間前のルールを厳守したい」と断られたが、残り500グラム程度とあって特にナーバスになった様子はなく受け入れた。そもそも今回はこれまでより1階級上げている。米国シカゴでの亀田興毅戦、中国・香港でのレックス・ツォー戦以来、3度目の外国遠征に「精神的に戸惑うことがないだけの準備をしてきた」と話し、リラックスした表情でひとり散歩に出かけて行った。