[引退式]2018.4.26
柴田直子 涙の10カウントゴング
9年の現役生活に別れ
26日、後楽園ホールで開催された「Earnest Efforts.8」のリングで、元IBF(国際ボクシング連盟)女子ライトフライ級王者の柴田直子(37=ワールドスポーツ)の引退式が行われた。
08年11月にプロデビューした柴田は、アマチュア時代から定評のあったスピードとテクニックを武器に白星を重ね、8戦目の11年5月にOPBF女子東洋太平洋ライトフライ級王座を獲得した。
08年11月にプロデビューした柴田は、アマチュア時代から定評のあったスピードとテクニックを武器に白星を重ね、8戦目の11年5月にOPBF女子東洋太平洋ライトフライ級王座を獲得した。
女子屈指の技巧派として活躍
世界挑戦は12年、13年と続けて失敗したが、3度目の挑戦で見事IBF王者に輝き、16年8月までに5度の防衛に成功。この間に日本人女子で初となるIBF女子最高優秀選手を受賞するなど、女子ボクシング界を代表する技巧派の選手として活躍した。
JBCから記念品が贈呈
しかし昨年3月、プロ初の海外戦でメキシコのアロンドラ・ガルシアに判定で破れ王座から陥落すると、9月に再起をはたしたが、2ヶ月後のWBO女子アジアパシフィック・ミニフライ級王座決定戦で5年前に対戦した元WBA、IBF女子ミニ・フライ級王者の多田悦子(真正)に前回と同じく判定で敗れ、試合後に引退を表明。9年の現役生活に幕を閉じた。
燦然と輝くベルト
リング上で日本ボクシングコミッション(JBC)から記念品が、ファンから沢山の花束が贈られた柴田は、「ダイエットではじめたボクシングで世界王者になれるなんて思ってもいなかった。これも才能のない私を指導してくれた斎田会長、トレーナー、そして応援してくれた方々のおかげです。ボクシングを通じて大きく成長することができました」と感謝し、10カウント後の鳴り止まない拍手に涙が頬を伝った。
ナオココールに涙
アマチュア戦績19戦12勝7敗、プロ戦績は23戦17勝(6KO)5敗1分。事務員として働きながら、全力ファイトで世界まで登り詰めた柴田は、今後は指導者としての道も考えているという。いつの日か、後継者とリングに上がる姿が見られるかもしれない。