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[会見]2018.4.19

尾川堅一の試合はノーコンテストに

ドーピング問題についての会見
 IBF(国際ボクシング連盟)スーパーフェザー級王者の尾川堅一(30=帝拳)が19日、都内の所属ジムで会見を開いた。尾川は昨年12月、米国ネバダ州ラスベガスでの王座決定戦でテビン・ファーマー(米)に判定勝ちし新王座に就いたが、WADA(世界反ドーピング機構)の尿検査で陽性反応が出たと判明。その後、調査を進めていたが、試合はノーコンテスト(無効試合)となり、ネバダ州コミッションによって試合から6ヶ月間の出場停止、ファイトマネーの20%返金の処分が下された。浜田剛史帝拳プロモーション代表は「IBFからの指示を待つが、チャンピオンになったことはカウントされないのではないか」と語った。
試合はノーコンテスト
 会見の冒頭、浜田代表は「結果が出るまで帝拳ジムとしては多くのスタッフ、時間をかけて原因究明に努めてきました。良い報告がくるものと思っていましたが、残念な連絡がきました。関係者の皆さまや応援してくれるファンの方々に大変申し訳なく思っています」と謝罪。続けて尾川は「この度は、自分のプロ選手としての自覚が足りなくボクシングファン、関係者に大変なご迷惑をおかけました。この結果を重く受け止め、今後はこのようなことがないよう細心の注意を払っていきます」と話し、会見に出席した4人は深々と頭を下げた。
陽性反応の原因は不明
 当初は、アトピー性皮膚炎の治療薬が反応した可能性があるとされていたが、現在も原因は不明。尾川は「昨年7月に受けたWBC(世界ボクシング評議会)の検査では問題がなかった。普段通りの生活をしていたら(陽性反応が)出るはずがないと思い込んでいた。その甘さが今回の件を引き起こしてしまった」と説明した。
試合当日は陽性反応はなし
 尾川が最初の検査を受けたのは試合4日前の12月5日朝で、ラスベガスの宿舎に検査官が訪れ採尿した。この時、禁止薬物に指定されているテストステロン(筋肉増強効果がある)に陽性反応を示したとされる。試合を管理するネバダ州アスレチック・コミッション(NSAC)は試合後にも尿検査を行ったが、その際には陽性反応は出ていなかった。試合当日は陰性だったこと、調査に全面的に協力的だったことから、本来なら1年間の出場停止が6ヶ月間に、30%の返金も20%の返金に減額されたという。
復活を目指していく
 帝拳ジムとしては今後、すべての選手やトレーナーに食事や使用する薬やサプリメントなどを報告させ再発防止を徹底するとした。今後に関して尾川は「認識の甘さがあったのは事実なのでしっかり反省していきたい。それを判断してもらった上でファンが許してくれるのであればまたリングに戻りたい」と語った。浜田代表も「ネバダ州の採点は出たわけですから、それに従って反省してファンが許してくれるのであればリングに上げたい」とサポートを約束した。