[原功コラム]2018.2.26
ネリの返り討ち初防衛か 山中の雪辱&返り咲きか
ロープ際での攻防に会場がヒートアップ!
まず注目すべきは3月1日(木)に行われるネリ対山中のWBCバンタム級タイトルマッチだ。この両者は昨年8月、山中が高校時代を過ごした京都で拳を交え、1位にランクされていた指名挑戦者のネリが4回TKO勝ちを収めて戴冠を果たしている。サウスポーの強打者同士の一戦は初回からスリルに富んだ試合になったが、徐々に圧力を強めたネリが主導権を掌握。下からの波状攻撃を受けて上体が浮いた山中は4回に連打を浴びて後退し、ロープに詰まったところで自陣がタオルを投入してTKO負けとなった。
食事にも気を配るルイス・ネリ(メキシコ)
試合後、棄権のタイミングを巡る是非論が交わされたが、その後、もっと大きな衝撃的ニュースがメキシコから流れてきた。試合を前にした7月に実施されたネリのドーピング検査で、筋肉増強効果がある禁止薬物、ジルパテロールが検出されたことが報告されたのだ。ネリ陣営が「汚染された肉を食べたのが原因」と主張するなかWBCが調査に乗り出した。この間、「クロだった場合は試合結果が無効試合に変更され、山中に王座が返還される」といった報道もみられた。しかし、WBCは10月末に「禁止薬物を意図的に摂取したとは断定できない」との灰色の結論を出した。そして、ネリの王座保持を認めると同時に、山中との再戦を命じたという経緯がある。これと前後して山中は再起を決意。ジムワークを開始してリベンジを目指してきた。