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[表彰式]2018.2.9

東京ドームホテルにチャンピオンたちが集結

2月9日、トップ選手が集まった
 2017年のボクシング界で、もっとも活躍した選手を称える年間表彰式が9日、都内の東京ドームホテルで開催された。各賞は東西のボクシング記者によって選考され、当日壇上で発表。会場には世界王者チャンピオンが勢ぞろいし喜びを語った。
 昨年はこれまで日本ボクシング界を牽引してきた内山高志(38=ワタナベ)、三浦隆司(33=帝拳)、井岡一翔(28=井岡)のビッグネームが相次いで引退、そして山中慎介(35=帝拳)がまさかの王座陥落とボクシング界に衝撃が走った。しかし、それと入れ替わるように拳四朗(26=BMB)、比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)、京口紘人(24=ワタナベ)といった若手が躍進。新旧交代がこれほど目立った年はなかっただろう。また、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(32=帝拳)が物議を醸した判定負けの後、見事雪辱を晴らし日本で21年ぶり、二人目の世界ミドル級王者に輝いた。これはメディアで大きく取り上げられ日本中の話題となった。
 他にも7月に敵地・中国で初めて世界にアタックした木村翔(29=青木)が五輪連覇の大スター、ゾウ・シミン(中国)からWBO世界フライ級王座を奪取、大晦日には元世界王者の五十嵐俊幸(34=帝拳)を9回TKOで下し初防衛に成功した。モンスター井上尚弥(24=大橋)は昨年アメリカを含む3度の防衛戦を行い、いずれも圧倒的な破壊力を持って世界を驚かせた。内山の後継者、WBA世界ライトフライ級王者の田口良一(31=ワタナベ)は大晦日にIBF世界同級王者のミラン・メリンド(比)を破り、V7達成と同時に王座統一に成功。ベテランから若手まで役者が揃い、日本ボクシング界を大いに盛り上げた11人の世界チャンピオン。はたしてこの中でMVPの座を射止めたのは――。
村田は初受賞
 最優秀選手賞(MVP)はやっぱりこの人、WBA世界ミドル級王者の村田諒太(帝拳)。「こんなに強いチャンピオンたちがいる中で選んでいただき非常に恐縮です。僕一人で獲った賞ではなく、サポートしてくれた帝拳ジム、電通の皆だったり、フジテレビの方々やいろいろな方のおかげで獲れたと思っている。今日は高校の恩師である武元先生の命日です。その日にこういった賞をいただけるのも武元先生が未だに見守ってくれているんだなと感じています。人と人との繋がりが僕を作ってくれたり、日本のスポーツ界を盛り上げることになったりすると思うので、ボクシングを通してこれからも人と人との繋がり、僕と武元先生のような関係を作っていけるような選手になりたいのでこれからも応援よろしくお願いします」
井上は2年連続での受賞
 技能賞は2年連続、2回目の受賞となったWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(大橋)。井上はJBCサポーターズクラブ賞も受賞した。「昨年に引き続きもらえたので今年は内容に拘り、納得する相手と納得する試合をしていきたい。5~6月に予定されている試合に向けて身体の芯の強さを強化していきたい。次は3階級制覇になるので記憶に残る試合をしていきたい」
木村翔は初受賞
 殊勲賞は二人が受賞。まずはシンデレラボーイ、WBO世界フライ級王者の木村翔(青木)。木村「周りからは統一戦と言われているが、時期が来たらステップアップのためにやりたい。ただ、日本人同士で削り合うのもなぁと思う。もっともっと有名になっていきたい。2018年もさらに飛躍していきたい」
初受賞となった田口
 そして王座統一をはたしたWBA・IBF世界ライトフライ級王者の田口良一(ワタナベ)が殊勲賞と年間最高試合のダブル受賞。田口「自分の中でとても良い1年だった。自分が強いことを証明したかったのでメリンド選手に勝って自信になった。年間最高試合に選ばれると思わなかったので、ビックリしている。本当にうれしい。また良い試合をしてMVPにノミネートされるようになりたい。油断もしていないが今年は防衛10回を目指す」
内山氏、下田氏、三浦氏
■各賞受賞者は以下のとおり。

■最優秀選手賞(MVP)
・WBA世界ミドル級王者
村田諒太(帝拳) 初

■技能賞
・WBO世界Sフライ級王者
井上尚弥(大橋) 2年連続2回目

■殊勲賞
・WBA・IBF世界Lフライ級王者
田口良一(ワタナベ) 初

・WBO世界フライ級王者
木村翔(青木) 初

■努力・敢闘賞
・OPBF・WBOアジアパシフィック級王者ヘビー級王者
藤本京太郎(角海老宝石) 初

■KO賞
・WBC世界フライ級王者
比嘉大吾(白井・具志堅S) 初

■新鋭賞
・WBC世界Lフライ級王者
拳四朗(BMB) 初

■優秀選手賞
・前WBO世界ミニマム級王者
福原辰弥(本田F)

・WBO世界ミニマム級王者
山中竜也(真正)

・IBF世界ミニマム級王者
京口紘人(ワタナベ)

・WBA・IBF世界Lフライ級王者
田口良一(ワタナベ)

・WBC世界Lフライ級王者
拳四朗(BMB)

・前WBO世界Lフライ級王者
田中恒成(畑中) 欠席

・前WBA世界フライ級王者
井岡一翔(井岡) 欠席

・WBC世界フライ級王者
比嘉大吾(白井・具志堅S)

・WBO世界フライ級王者
木村翔(青木)

・WBO世界Sフライ級王者
井上尚弥(大橋)

・前WBA級世界バンタム級王者
山中慎介(帝拳) 欠席

・前WBA世界Sバンタム級王者
久保隼(真正)

・IBF世界Sバンタム級王者
岩佐亮佑(セレス)

・WBA・WBC世界ライト級王者
ホルヘ・リナレス(帝拳) 欠席

・WBA王者世界ミドル級王者
村田諒太(帝拳)

■特別功労賞
・元WBA王者世界Sフェザー級王者
内山高志(ワタナベ)

■特別賞
・元WBC世界Sフェザー級王者
三浦隆司(帝拳)

・元WBA世界Sバンタム級王者
下田昭文(帝拳)

■年間最高試合賞(世界戦)
・WBA・IBF世界Lフライ級王座統一戦(17.12/31)
田口良一vsミラン・メリンド(比)

ワタナベプロモーション

■年間最高試合賞
・WBC世界Sフェザー級挑戦者決定戦(17.1/28)
三浦隆司vsミゲール・ローマン(メキシコ)

帝拳プロモーション、ゴールデンボーイプロモーション

■女子最優秀選手賞
・WBA女子世界フライ級王者
藤岡奈穂子(竹原&畑山) 3年連続5回目

■女子年間最高試合
・WBC女子世界ミニフライ級タイトルマッチ(17.12/17)
黒木優子(YuKo)VS小関桃(青木)

YuKoフィットネスプロモーション

■社会貢献賞
・坂本博之氏(ダイヤモンドフィスト賞)

■トレーナー賞
・有吉将之氏、野木丈司氏

■協会功労賞
・山中勇氏、関谷西生氏、高橋美徳氏、原田実雄氏、中村尚秀氏、森田健氏