[試合後談話]2017.12.14
9年越しの決着戦は壮絶な殴り合い!
細川が軽やかに攻める
14日の後楽園ホールで開催された「ダイヤモンドグローブ」のセミファイナルでは日本スーパーライト級王者の麻生興一(31=三迫)が同級6位の細川バレンタイン(36=角海老宝石)を迎えて2度目の防衛戦に臨んだ。2008年の東日本新人王決勝戦で対戦し、引き分けた両者の再戦は挑戦者の細川がジャブで先手を取った。
細川が死闘を制した
細川はジャブで距離を作ると麻生の固いガードの上から右フックを叩き込んだ。なかなか手の出なかった麻生だが、3回から圧力を強めるとワンツーを好打。細川はバッティングの減点1が課せられた。5回終了時の公開採点は48-47(麻生)、48-46(細川)、47-47と三者三様。中盤は一進一退の攻防が続いたが、細川の右が効果的に決まりポイントを加点。終盤、麻生はプレスをかけて攻勢に出たが、細川も必死に打ち返し、試合終了のゴングを聞いた。ジャッジに委ねられた採点はいずれも1ポイント差で細川を支持。36歳の細川が新王者に就いた。
ロシアで戦うあきべぇに繋げた
日本とOPBF通算4度目の挑戦で念願のベルトを腰に巻いた細川は「ありがとう!本当にうれしいです!」と喜びを爆発させた。「これまでの僕は行きあたりばったりの戦い方だったが、しっかり作戦を立てた。これまで麻生と戦ってきた選手はガードの空いたところを探すけど、今日はガードの上からでも叩く作戦だった。自分の方がクリーンにパンチを当てていたと思う」と白い歯を見せた。
トレーナー歴半年の奥村健太氏とコンビを組んだ細川は「志し半ばでボクシングを辞めることになった僕の分までベルトを巻いてくださいと言われ、朝のロードワークにも付き合ってくれた。本当に感謝している」と頭を下げた。
横に座っていた奥村氏は「勝ったのもうれしいが、無事にリングから戻ってきてくれたことがなにより。トレーナーになってまだわからないことだらけなので、先輩トレーナーに学ばせてもらいながら共に成長していきたい」と笑顔を見せた。
トレーナー歴半年の奥村健太氏とコンビを組んだ細川は「志し半ばでボクシングを辞めることになった僕の分までベルトを巻いてくださいと言われ、朝のロードワークにも付き合ってくれた。本当に感謝している」と頭を下げた。
横に座っていた奥村氏は「勝ったのもうれしいが、無事にリングから戻ってきてくれたことがなにより。トレーナーになってまだわからないことだらけなので、先輩トレーナーに学ばせてもらいながら共に成長していきたい」と笑顔を見せた。
今後のことは会長と話して決める
一方、2度目のタイトル防衛に失敗した麻生は「結果がついてこなかった。神様が(ボクシングを)辞めろと言うことなのかな。少し肩の荷が下りました」と話すと涙が頬を濡らした。
ディスティノ・ジャパン(ピューマ渡久地)
この試合を観戦した指名挑戦者のディスティノ・ジャパン(33=ピューマ渡久地)は「どちらが勝ってもおかしくない手数の多い、良い試合だった。ボクサーとしてではなく、いち観客として言うと、2人とも少しスタミナが足りないように感じた。新チャンピオンを尊敬するが、そのタイトルが欲しいので勝つためにとにかくトレーニングに励む」とベルト奪取を誓った。
採点表