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[独占インタビュー]2017.11.27

rscproducts が井上孝志トレーナーを直撃

井上孝志トレーナー
 rscproducts のトレーナー訪問。今回は、東京・五反田にあるワタナベボクシングジムにお邪魔しました。井上孝志トレーナーを直撃。指導方法に関するお話しを聞くことができました。大晦日に初防衛戦を控えているIBFミニマム級世界王者の京口紘人(ワタナベ)の担当トレーナーでもある井上トレーナーは、鬼門突破に向けてチャンピオンを指導しています。
- 今回はよろしくお願いいたします。
井上: 取り上げてもらえて嬉しいです(笑)。こちらこそよろしく。

ー まずは指導方法からお聞きさせていただきたいと思います。
井上: 京口(紘人)以外は、世界ランカーもデビュー前の選手も関係なく合同練習をさせています。その中で、個人別にこまかい点を指導しています。

※京口紘人:IBFミニマム級世界王者
選手との信頼関係が大切
ー 選手にとってトレーナーの役割はなんですか。
井上: 選手に信頼される、信じさせることやと思います。指導やアドバイスを信じて練習をやっていれば、試合に勝てるんだと思わせる信頼感を持ちたい。時には怒鳴ったり、キツイことを言う。ケツを叩いてでも、練習させて自信をつけさせています。

ー 選手に徹底して練習させていることはありますか。
井上: やはり基本ができてこそ、その後があるんやから、ジャブ、ストレートをしっかり打てるように指導しています。

ー 重視している練習メニューは何ですか。
井上: マスボクシングを多めに普段からスパーリングをやらせて、体力をつけさせています。

ー 練習を見させていただきましたが、他のトレーナーがされないドラムミットをされてました。ドラムミットはどんな効果がありますか。
井上: ドラムミットはどの選手にもしっかり打たせてパンチ力をつけさせるための練習です。ドラムミット自体は、私がトレーナーになった時からありましたが、国内で使えるトレーナーがほとんどいなかったんちゃいますかね。メキシコ修行時代に持ち方を現地で教わって、それ以来メニューに入れています。おそらく日本で1番多くドラムミットを持っていると思います。
試合のインターバルは59秒使う
ー 試合前の選手に対して気をつけていることはー。
井上: 試合前だからと特に変えることないです。対戦相手がオーソドックスかサウスポーなど、スタイルに応じて対策の指導をしながら、いつもの練習をさせています。

ー 試合ではインターバル中のトレーナーのアドバイスが重要となりますが、選手には何を伝えてますか。
井上: (インターバルは)1分しかないので、呼吸を整えること、そこから重要なことを1つだけ、しっかり何度も伝えます。セコンドアウトの合図がなって、送り出す時にこのラウンドは何をするのかを選手にこちらから質問し、選手に確認させます。セコンドは59秒までリングに残るんだと教えられました。

ー 井上トレーナーが思うボクサーに必要なセンスとは何ですか。
井上: 努力できるセンス。どんなにボクシングセンスがあっても、努力できなければ勝てへん。テクニック、スタミナつけるのも努力できなければつけることはできへん。努力なくして王者になることはできないと思っています。

ー最後に井上トレーナーの理想のボクサーをお聞かせ下さい。
井上: どこでも、どんな場所でも戦えるハートの強いボクサーです。
井上孝志トレーナーと京口紘人
■井上 孝志 トレーナー
・ワタナベボクシングジム

・大阪府堺市出身。中学3年時に赤井英和に憧れボクシングを始める。
・1987年新日本大阪からプロデビュー後、一時陸上自衛隊に入隊、1989年陸上自衛隊を除隊後にプロボクサーとしてカムバック。
・1994年のエルビス・イマタを3ラウンドKO勝ちしたのを最後に引退。

※通算成績:20戦7勝(2KO)11敗2分。

・引退後はグリーンツダジムの故・津田博明会長にトレーナーとしてのセンスを認められ、グリーンツダジムで1年間トレーナー修行。その後もメキシコやフィリピンで修行し、自らスカウトしたスズキカバト選手を日本フライ級王者に育て、6度の防衛をサポート。その後も大阪帝拳ジムで日本バンタム級王者池原信遂選手を育てた。

・2015年よりワタナベボクシングジムでトレーナーとなり古川夢乃歌を東洋太平洋女子フライ級王者、京口紘人選手を東洋太平洋ミニマム級王者に育て、2017年7月におこなわれたIBF世界ミニマム級タイトルマッチで京口紘人は世界王者に就いた。

・トレーナーとして世界王者1人、東洋太平洋王者2人、日本王者2人を輩出。現在ワタナベジムでは世界王者の京口紘人選手を始めプロ選手10人、アマ選手4人を担当し、チャンピオンメーカーとして日々、ミットを持ち続けている。
京口紘人!大晦日に初防衛戦
※大晦日に初防衛戦を迎える京口紘人選手に井上トレーナーについて聞いてみました。

京口: 井上トレーナーの練習は毎日キツイし、怖い。でも、井上さんが言う練習をすれば間違いなく強くなれる、そして試合に勝てると思って練習しています。もちろん信頼しています。

※京口紘人(ワタナベ)の初防衛戦は大晦日。大田区総合体育館にて開催されます。放送はTBS。