[試合後会見]2017.10.6
モデルボクサーとママさんファイターが激突!
吉田の右が炸裂
6日に後楽園ホールで開催された「DANGAN195」のメインイベントでは日本女子初代バンタム級王座決定戦、同級1位の高野人母美(30=協栄)と同級2位の吉田実代(29=EBISU K'sBOX)が対戦。新チャンピオンの座をかけてし烈な争いが繰り広げられた。
吉田が初代王者に
身長で16㎝上回る高野が前に出る吉田を右アッパーで迎え撃つ展開。2回、吉田は高野の左フックをかいくぐってワンツーを好打しペースを握った。3回以降は距離が噛み合わず腕が絡み合う場面が増えた。明確なポイントを取りたい高野はジャブから組み立てるが、吉田も一歩も引かず。6回、高野は気迫溢れる攻撃を見せたが、吉田が右ストレートを決めてポイントを加点した。採点は三者ともに1ポイント差で吉田を支持し、新チャンピオンに輝いた。
OPBFや世界を目指していきたい
白色のベルトを腰に巻き満面の笑みを浮かべた吉田は「めちゃくちゃうれしいです。クイックのショートパンチがよく入った。普段は中間距離で戦っているが、今回の試合用にインファイトの作戦にしたのが上手くいった」と声を弾ませた。「藤岡さんに憧れて総合格闘技からボクシングに転向したので藤岡さんのような強い選手になりたい。シングルマザーでも頑張っていることを知ってもらえたらと思うし、女子ボクシングが活性化していったら良いと思う」と語り、2歳6ヶ月になる一人娘の実衣菜ちゃんに勝利をプレゼントした。
再び立ち上がると高野
一方、惜しくも1ポイント差で敗れた高野だが、「悔しさよりもボクシングを楽しめた喜びの方が大きい」と晴れやかな顔を見せた。それでも吉田は予想以上に戦いにくく、それなりに手応えのあるパンチも当たったが、ジャブをもっと打つべきだったと反省も忘れず。「吉田さんともう一度やりたい。今度こそは」とリベンジを誓った。
藤岡奈穂子(T&H)
この試合を観戦したWBA女子世界フライ級王者の藤岡奈穂子(T&H)は「内容がもう少し欲しかったですね」と短めのコメントを残し会場を後にした。
三好喜美佳(川崎新田)
OPBF女子フェザー級王者の三好喜美佳(川崎新田)は「吉田選手の右の打ち分けが良かった。高野選手はジャブを使って自分の距離で戦えば違う展開になったと思う。これをきっかけに女子ボクシングが盛り上がれば良いと思う」と感想を口にした。