Sフライ級挑戦者決定戦
WBC(世界ボクシング評議会)スーパーフライ級挑戦者決定戦、2位のカルロス・クアドラス(29=メキシコ)対3位ファン・フランシスコ・エストラーダ(27=メキシコ)の12回戦は9日(日本時間10日)、米国カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センターで行われた。シーサケット・ソールンビサイ(30=タイ)対ローマン・ゴンサレス(30=ニカラグア)の勝者に対する挑戦権を手に入れたのは、2代前の王者クアドラスか、それとも元WBA(世界ボクシング協会)、WBO(世界ボクシング機構)フライ級王者のエストラーダか。
指名挑戦権を獲得したのはエストラーダだった。直前のオッズで5対3とリードしていたエストラーダに対し、クアドラスが右で仕掛けて出た。エストラーダは落ち着いて迎え撃つ構えをみせた。クアドラスはときおり構えを左にスイッチするなど工夫もみせ、調子のよさを感じさせた。やや後手にまわった印象のエストラーダは3回後半から前に出て圧力をかけ始めた。競ったラウンドが続くなかクアドラスは足をつかいながら頻繁に左右にスイッチ、試合を主導していることを印象づけようとしたが、エストラーダもインサイドからパンチを繰り出して譲らなかった。
7回、エストラーダの右アッパーと右ストレートが命中、クアドラスの腰が沈み優劣が明白になった。8回、エストラーダが圧力を強め、単発ながらタイミングのいいパンチを当てた。足をつかいながら機をみて飛び込むクアドラス、じわじわ前に出るエストラーダ。拮抗したラウンドが続いたが10回、エストラーダが右ストレートから左右を追撃。さらに左から右ストレートを打ち込んでダウンを奪った。再開後、クアドラスも打ち返して意地をみせた。エストラーダは11回終盤にも左アッパーを効果的に突き上げて優勢を印象づけた。最終回、クアドラスは果敢に攻めて出たが、エストラーダも効果的なパンチで応じた。採点は三者とも114対113でエストラーダだった。エストラーダは38戦36勝(25KO)2敗。いったんは勝者コールを受けながら、間違いだったクアドラスは38戦35勝(26KO)2敗1分。