ジャンボがタイトル初挑戦
日本一長いリングネームを持つOPBFスーパーウェルター級8位のジャンボおだ信長本屋ペタジーニ(29=六島)が30日、大阪・住吉区民センターで開催された「OPBFトリプルタイトルマッチ」で王者のラーチャシー・シットサイトーン(32=タイ)に挑戦した。前王者でこの日に引退式を行った細川貴之(六島→引退)が保持していたベルトを獲り返すことができたのか?アンダーカードにはタイトル再挑戦を目指す日本ミニマム級4位の谷口将隆(23=ワタナベ)、3月以来の再起戦となる日本スーパーフライ級7位の向井寛史(32=六島)が出場した。
初回、長身のジャンボがワンツーをヒットさせ幸先の良いスタートを切ったが、3回になるとラーチャシーの右フックを浴びてロープを背にする場面が増えた。4ラウンド終了時の公開採点でリードしたラーチャシーは連打で追い詰めダメージを与えた。しかし、スタミナ切れから手数が減るとジャンボがワンツー、ボディで反撃。逆転勝利を狙うジャンボだったが決め手に欠け、息を吹き返したラーチャシーに右フックを浴び続けた。8回終了時の公開採点でリードを広げだラーチャシーは11回にラッシュを仕掛けると防戦一方となったジャンボを見かねてタオルが投げ込まれた。
最後まで懸命に食い下がるもタイトルを獲得することができなかったジャンボは「チャンピオンの方が気持ちが強く、自分は挑む気持ちが足りなかった。パンチをたくさんもらい見栄えが悪かった。相手はチャンピオンとしては強くなかったが自分が弱かった」と悔しさを噛み殺し試合の感想を語った。
前戦に続き日本でタイトルを防衛したラーチャシーは「タイでもよく練習したし、練習したことが出せたので良かった。タイや日本でサポートしてくれる人たちに感謝したい」と声を弾ませた。
ミニマム級8回戦でナーヨレック・サイトーンジム(タイ)と対戦した谷口は巧みなディフェンスで回避すると左ストレートでダウンを奪い、左ボディアッパーをボディに決めてフィニッシュに持ち込んだ。
初回KOで試合を終わらせた谷口は「最後に決めた左ボディアッパーは京口のマネです 」 と同門で同じ寮に住むIBF世界ミニマム級王者の京口紘人の得意のパンチだと笑顔を見せた。4月の日本同級王座決定戦では僅差の判定で敗れた谷口。「1度負けて高い授業料を払っているのでもう負けたくない。リベンジしたい気持ちもある」と口にしたが、「不利だと思われるが選んでくれるなら小浦選手と是非とも対戦したい」と前日にOPBF同級新チャンピオンに輝いた小浦翼(E&Jカシアス)への挑戦も希望した。
バンタム級8回戦でサトーペット・サイトーンジム(タイ)と拳を交えたサウスポー向井は、ワンツー右ボディをヒットさせペースを掌握すると3回には連打でダウンを奪いさらに左ストレートでダウンを追加した。続く回はサトーペットの抵抗にやや手を焼いた向井だったが、5回にワンツーから右ボディをめり込ませて試合を終わらせた。
3月に香港でWBO世界スーパーフライ級1位のレックス・ツォーに敗れて以来の再起戦を飾った向井は「試合前に怪我をしてしまいスパーリングが不足していたので距離感が難しかった。最低限KOすることはできたがもっと早く倒したかった」 と反省の弁が口を突いた。今後はスーパーフライ級を主戦場にしていきたいという向井は「日本でもOPBFでもチャンスがある方ならどちらでも良い」 としながらも「アマチュアでも日本一になったことがないし、これまで後楽園ホールのリングに上がったことがないのでチャンピオンが指名してくれるなら是非ともやりたい」と現日本同級王者の船井龍一(31=ワタナベ)との対戦に名乗りを上げた