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[世界戦特集]2017.7.21

木村翔「暑い世界王座奪取」宣言

機内ビジネスクラスにて木村
 28日に中国の上海オリエンタルセンターで、ゾウ・シミン(36=中国)の持つWBO世界フライ級王座に挑戦するため、同級7位で同団体のアジア太平洋王座を保持する木村翔(28=青木)が成田空港から現地に飛び立った。木村の出身である北埼玉(深谷市)の今日の最高予測気温は36度。上海は40度だが「観客や王者には50度超えの体感温度を覚えるくらい熱い試合をしてきます」とジョークを言う余裕も見せ、出国ゲートに向かった。
平常心で日本を発つ
 タイ合宿では世界戦経験者を含めた強豪たちとハードな特訓に励んだ木村。帰国後は今日まで「いつも通り」を意識して、平均8ラウンドのスパーリングをコンスタントにこなした。
「今日も自分の地元は暑いらしいですけど、上海はもっと暑いみたいですね」
 毎年日本一の暑さで注目される埼玉の熊谷周辺で育った木村は、そう言って苦笑いを見せた。ただ、コンディショニングのみならず、敵地での世界王座初挑戦にも不安はなさそうだ。青木ジムの有吉将之会長も「(マニー・)パッキャオもジェフ・ホーンに負けましたから」とネームバリューの大差には動じない姿勢だ。
五輪史に残る天才だったゾウ
 実際にゾウは「中国ボクシング史上初」の金字塔を多く打ち立ててきたとはいえ既に36歳。「パッキャオの後継者」として期待したトップランク社と離れ、独自の路線を進み始めた今回、彼が全盛期と比べて、どんなパフォーマンスをできるかには未知数が多い。木村にとって、ここに可能性を感じない手はあるまい。
シャープ社提供のビッグイベント
 ゾウの持ち味はポジショニングに秀でたセーフティなスタイルだ。「熱い試合をする」という宣言は「自分が主導権を握る」という遠回しな必勝宣言でもあるに違いない。