[試合後会見]2017.7.19
ベテラン対決、混戦を抜け出したのは?
大激戦となったメインイベント
2度目の世界挑戦を目指すOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者の大竹秀典(36=金子)が19日、「ゴールデンチャイルド120&DANGAN188」のメインイベントに出場。挑戦者の臼井欽士郎(37=横浜光)を迎えて初防衛戦に臨んだ。試合は8年ぶりに王座へアタックした臼井が足を使いながら細かく上体を動かすとテンポよくジャブ、左ボディへと繋げ、幸先のいいスタートを切った。
大竹が打ち勝った
エンジンの掛かりが遅い大竹だったが、キレのある左フックで応戦すると2回は先手を意識し、臼井の懐に飛び込んでは左ボディを効かせた。それでも序盤は臼井の返しが光り、4回終了時の採点を38-38、39-37、39-37の2-0でリード。後れをとった王者は圧力を増し巻き返しを図るが、挑戦者も被弾しながら左フック、右ストレートをよく返し、流れを変えさせなかった。しかし、6回に入るといよいよ馬力に差がつき、強烈なボディ、フックで徐々に臼井の足が止まった。8回終了時は76-76、77-75、78-74と大竹が逆転。終盤は大竹がさらにギアを上げ打って出るが、臼井も手薄になったガードのスキに右をねじ込み、執念を見せた。壮絶な打ち合いに2000人を詰め込んだホールは大いに沸き、一打一打に悲鳴と歓声が飛び交うなか10回、いよいよ大竹の猛打に臼井が耐えきれなくなり、終了間際にボディを抉られ遂にダウン。同時にセコンドからタオルが投入された。
途中採点を聞いて攻めようと思った
見事なKO勝ちでタイトル防衛に成功した大竹は「体が重く感じたが焦らず攻めていこうと思った。相手はポイントの取り方、休み方が上手かったが途中からボディが効いているのがわかった」と冷静に試合を振り返った。今年で36歳になる大竹だが「自分で考えてボクシングができるようになってきた。これからはもっと被弾しないようにしていきさらに上を目指したい」とコメント。次戦は10月に指名挑戦者の丸田陽七太(20=森岡)を迎え撃つ。
いっぱいいっぱいだった
一方、前半はポイントでリードするも後半に失速した臼井は「結果がすべて。立ち上がりから嫌な感じがした。最後まで王者のペースを変えられなかった。最後は効いたわけではなく心が折れた。せっかく復帰したのに同じことの繰り返しです」と肩を落とした。今後のことについては「会長に相談したうえで決める」としつつも、「この内容だけにこれで終わりという気持ちの方が強い」と引退を示唆した。
採点表