パッキャオvsホーン
6階級制覇の実績を持つWBO(世界ボクシング機構)ウェルター級王者マニー・パッキャオ(38=比)は2日、同級1位の挑戦者ジェフ・ホーン(29=豪)を相手にオーストラリアのブリスベン、サンコープ・スタジアムで現王座の初防衛戦に臨んだ。THE BATTLE OF BRISBANE と銘打たれた注目のイベント、総合力で勝るパッキャオが久しぶりにKO勝ちを収めたのか、それとも9歳若い地元のホーンが番狂わせを起こしたのか。
〇ジェフ・ホーン(豪)
12回判定(3対0)
×マニー・パッキャオ(比)
サウスポーのパッキャオに対し、体格で勝るホーンは忙しく動きながら積極的に距離を詰め、得意の右を放つ。有効打にはならないが、少なくとも気後れした様子は見られない。相手の出方をみていたパッキャオは2回、体を振りながら出るが、ホーンが動くため思ったような攻めができない。王者のカウンターの左が浅く入ったが、ダメージを与えるほどではなかった。ホーンは変則的な動きをしながら飛び込み、浅く右を当てるシーンもつくった。その一方、パッキャオの左も徐々にタイミングが合い始める。まだペースが定まらないまま迎えた5回、ホーンの攻撃に手を焼きながらもパッキャオが左ストレートを浅く当てた。6回、ホーンは体ごと押し込む。この回、パッキャオの右頭部が切れた。この回終盤、ホーンの右でパッキャオの膝が揺れるシーンがあった。
なかなかペースがつかめないパッキャオは7回、今度はバッティングで左側頭部をカット、ドクターの診断を受けた。顔面を朱に染めながらの戦いを強いられたパッキャオは8回、ペースを上げようとして上体でリズムを刻み、左ストレートでホーンの動きを一瞬止めた。9回、パッキャオが右フックでダメージを与え、左もヒット。ホーンがふらつく場面が続いた。ラウンド終盤には左を浴びたホーンが大きく後退した。インターバルでレフェリーから「一方的になったら止める」と勧告されたホーンは10回、右目上からの出血も意に介さず再び前に出たが、有効打を叩き込むことはできなかった。11回、パッキャオの左が浅く入りホーンがのけ反るシーンがあったが、それ以上のトラブルに陥ることはなかった。競った内容のまま迎えた最終回、ホーンが前進して王者をロープに押し込み、パッキャオが反撃しようとするとクリンチで抑え込んだ。