[試合後談話]2017.3.10
天笠尚が2年5ヶ月ぶりに日本人と対決
白熱の打撃戦となった
10日の後楽園ホールで開催された「A-Sign Bee1」の第5試合は56.8kg契約8回戦、日本フェザー級2位の天笠尚(31=FLARE山上)と日本同級7位の臼井欽士郎(37=横浜光)が激突した。元日本・OPBF同級王者の天笠とベテラン臼井による対決は期待通りの激しい打ち合いとなった。
採点表
元日本・OPBF同級王者の天笠がジャブを出しながら距離を詰めるのに対し、上位ランクを狙う臼井は打ち終わりに鋭く踏み込んで左フックをヒット。3ラウンド、臼井が右フックで膝を揺らせば、天笠も右ストレートを返しスリリングな展開となった。一進一退の攻防の中、5ラウンドに天笠が左フックを合わせ軽いダウンを奪った。ポイントを失った臼井だが、強引に前に出ると左フックを決めて攻勢。天笠も負けじと打ち返した。ジャッジに委ねられた採点は一人がドローとしたが、2者が天笠の勝ちとし、激戦を勝ち抜いた。
試合後に笑いたいですねと天笠
日本人対決に勝利した天笠だが「タイトルを持っていたというプライドがあったので負けられないと思い緊張した。相手を警戒し過ぎて手数が少なかった。スッキリした勝ち方をしたかった」と自らの試合内容に納得がいかない表情を見せた。「上のステップにいくためにも世界ランキングに入れるような試合ができればと思う。チャンスがあればスーパーバンタム級でもやっていきたい」と今後の抱負を口にした。
勝利まであと一歩だったが…
ダウンポイントが響き接戦を落とした臼井は「相手はジャブが上手かった。結果が全てなので負けは負け。ここから這い上がるのが男です」と多くは語らず敗戦を潔く受け入れた。
第3試合はフライ級8回戦、日本同級5位の望月直樹(23=横浜光)と中山佳祐(28=ワタナベ)が対戦。距離を潰して接近戦を仕掛ける望月に対し、サウスポーの中山はフットワークを駆使して左ストレートを好打。競ったラウンドが続いたが、最終ラウンドに右フックでダウンを奪った中山がジャッジ2者の支持を得て勝利した。
ランカー初挑戦で見事に勝利
日本ランカーを撃破した中山は「試合前から噛み合う相手だと思っていた。グイグイ前に出てきたけどやりにくさは感じなかった。パンチを外していたのでポイントは取られていないと思った」と冷静に試合を振り返った。「強いランカーに勝てたことがうれしい。もっと練習して年内にタイトル挑戦がしたい」とフライ級の台風の目になると誓った。