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[試合後会見]2016.12.24

重量級ならではの壮絶な打撃戦を見せた。

メインイベントは激しい打撃戦
 クリスマスイブに後楽園ホールで開催された「ファイティング・スピリット・シリーズ 40」のメインイベントは、日本ミドル級暫定王座決定戦。同級1位の胡朋宏(28=横浜光)と2位の淵上誠(33=八王子中屋)が対戦した。重量級ならではの迫力の打撃戦に会場は盛り上がりを見せた。
胡が3度倒した
 胡が右ストレートを叩き込みペースを掴みかけるが、サウスポー淵上も真っ向から打撃戦に応じるとド突き合いの展開となった。2ラウンド胡が一気に襲い掛かると左フックでダウンを演出。しかし、淵上は上体を揺らしながら手数を増やして対抗した。前半終了時の公開採点は48-46×2が胡、48-47×1が淵上。6ラウンドになると胡は距離を取り、淵上が追う展開。淵上が手数を増やし攻勢をかけたが、8ラウンド開始早々に胡がスパートをかけ右でダウンを奪うと立ち上がったところに再び右フックをねじ込みキャンバスに沈めた。胡が一進一退の攻防を制し暫定王座に輝いた。
日本チャンピオンに返り咲きたい
 控室で笑顔を見せた胡は「相手は上体が柔らかくていなされたので、途中から足を使ってペースを変えた。これまではムキになってド突き合っていたが足を使う意識を持ってやってみた」と試合を振り返った。大晦日に京都で世界王座に挑戦する同郷で友人の小國以載(角海老宝石)が観戦に来ていたが「疲れさせたら悪いので早く終えようと思ったが、倒し損ねた。あいつも獲ってくれたら」とエールを送った。次戦は正規王者の西田光(29=川崎新田)との王座統一戦になるが「後がないので必死。暫定王座は仮免許みたいなものだから次はしっかり獲りたい」と抱負を語った。
結果で応えたかったが…
 一方、接戦を落とした淵上は「言葉がないですね…」とショックを隠し切れない様子を見せた。「向こうは打ち合ってくると思っていたので迎え撃つ覚悟はできていた。頭を振ってパンチをもらわないように意識したがやられてしまった」と唇を噛んだ。「負けたらこれが最後だと思ってやってきた。今後のことはジムと話して決断したい」とコメントした。
西田光(川崎新田)
 この試合を観戦した日本同級王者の西田光は「胡選手は激しい打ち合いの中、上下にパンチをもらっていたが距離を取ってペースを変えていた。対戦したら打撃戦になると思うので勝負したい」と感想を口にした。