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[海外ニュース]2016.11.29

ロマチェンコがライト級も視野に

ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
 WBO世界スーパーフェザー級王者ワシル・ロマチェンコ(28=ウクライナ/米)が、近い将来にライト級での世界王座獲得を目指すと話している。ターゲットとしてWBO王者テリー・フラナガン(27=英)の名前を挙げている。
フラナガン
 ロマチェンコは26日にニコラス・ウォータース(ジャマイカ)と対戦、前WBA世界フェザー級スーパー王者の相手の戦意を喪失させて7回終了TKO勝ちで初防衛を収めている。ほとんど被弾せずに圧勝したこともあり、いつでも戦える状態といえる。最近の2戦で評価が急上昇中のロマチェンコだけに、周囲やファンの興味は早くも次は誰と戦うのかという点に移っている。当のロマチェンコはライト級進出も視野に入れている状態で、プロモーターのトップランク社を通じてWBO王者のフラナガン陣営と接触していると伝えられる。しかし、フラナガンはWBOからフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)との指名防衛戦を課されており、またロマチェンコ自身が「英国ではなく中立国で戦いたい」と話しており、簡単には話がまとまらない可能性が高い。 
バルガス
 こうした一方、ロマチェンコ陣営は同じスーパーフェザー級のWBC王者フランシスコ・バルガス(メキシコ)にも強い興味を抱いているが、バルガスは激戦のダメージを抜くため休養中ということもあり、こちらも交渉をまとめるのは容易ではないと思われる。最も具体化しやすいのがフェザー級時代にロマチェンコが惜敗しているオルランド・サリド(メキシコ)との再戦だ。サリドもウォータース戦を前にロマチェンコとの再戦を歓迎するコメントを発しており、プロモート上も問題はない。ただ、初戦のときと現在では両者の力量と格に大きな差ができてしまったことが実現のネックといえる。雪辱戦という売りはあるものの勝負としての興味が薄いとなるとテレビ局が首を縦に振らない可能性があるのだ。
内山高志(ワタナベ)vsジェスレル・コラレス(パナマ)
 また、大晦日に内山高志(ワタナベ)との再戦を控えるWBAスーパー王者のジェスレル・コラレス(パナマ)との統一戦に向かう可能性もある。今回のウォータース戦を前にロマチェンコとコラレスは対戦が濃厚と伝えられたこともあり、下交渉は済んでいるとみることができる。ただし、これもコラレスが内山を返り討ちにすることが前提となる。一方、内山がコラレスに雪辱を果たせば、コラレスに代わって一気にロマチェンコの対戦候補として名前が挙がることも考えられる。そういった意味でも大晦日のコラレス対内山には大きな注目が集まることになる。
パッキャオ
 まだ話題の域を出ないが、6階級制覇の実績を持つWBO世界ウェルター級王者マニー・パッキャオ(比)との対戦という話も出ている。現時点ではスーパーフェザー級(約58.9キロ以下)のロマチェンコとウェルター級(約66.6キロ)のパッキャオとは8キロ近いウェート差があるが、パッキャオが体重を落として歩み寄ることができれば対戦の可能性がないわけではない。先日、来日した際にパッキャオは「普段は135ポンド(約61.2キロ)~140ポンド(約63.5キロ)ぐらい」と話しており、その間の契約体重であれば対戦は不可能ではなさそうだ。体重の壁を破ってスーパースターに成長するという方法は、パッキャオ自身が通ってきた道でもある。ロマチェンコがその轍を通ることになったとしても不思議はない。
ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
 プロ7戦目で世界2階級制覇を成し遂げ、ウォータースにも圧勝して中量級戦線の核になりつつある「ハイテク」ロマチェンコ。試合間隔からみて次戦は来年3月か4月か有力だが、はたして誰と戦うことになるのか。