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[設立発表会見]2016.11.25

原宿に「パッキャオジム」

パッキャオジムの設立を発表
 6階級制覇の実績を持つWBO世界ウェルター級王者マニー・パッキャオ(37=比)が24日に来日し、25日には東京・原宿で「パッキャオジム」設立の記者会見を行った。WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23)、IBF世界ライトフライ級王者の八重樫東(33)ら大橋ジムの精鋭をゲストに招いて行われた会見で、パッキャオは「日本の若者の才能をみつけ、ボクシングに関する知識も共有したい」とジム設立の趣旨を語った。
ジム代表の縣祥浩氏と
 フィリピンの上院議員でもある世界的なスーパースターの会見とあって、100人以上のマスコミ関係者が駆けつけた。そのため原宿駅から徒歩3分の好立地にある20平米のジムは満員電車の車内のような混雑ぶりだった。リングのなかに入って会見したパッキャオはリラックスした様子で「たくさんの人がサポートしてくれてジム設立に辿り着いた。ありがとう」と、まずは謝辞を述べた。戦線復帰戦したことについては「もう一度、世界王者になることができて嬉しい。4月のティモシー・ブラッドリー(米)戦後に引退したが、数ヵ月は心が寂しかった。体の調子も悪くなかったので、8月からトレーニングを開始した」と説明した。
お祝いに駆けつけた大橋会長
さらに日本にジムを開設した理由については「若者の才能を発掘し、ボクシングに関する知識も共有したい。正しいポジションの取り方など機会があれば自分が指導することも考えている」と話し、今後も都内に数ヵ所、ジムを開設したい考えがあると明かした。
丁寧に質問に答えるパッキャオ
 続いて行われた大橋ジムの精鋭たちとの質疑応答は以下のとおり。

八重樫「体重を上げながら、その階級に適応する秘訣は?」
パッキャオ「よく焼いたビーフや鶏肉などの食事を一日に3回とってトレーニングしてきた。普段の生活では規律を守ること。(実質的な)8階級制覇は簡単にできることではないんだ」。

井上尚弥「計量後のメンテナンスは?」
パッキャオ「通常の食事をしている。ただ、水分を多くとるようにしているので、5分おきに水を飲んでいる」。

松本亮「これまでの試合で最も厳しかった試合は?」
パッキャオ「アントニオ・マルガリート(メキシコ)戦。身長166センチの私に対して相手は180センチもあったからね。実際の体重差も大きかった」。

井上拓真「計量後のリバウンドは、どのくらい?」
パッキャオ「普段の体重が135ポンド(約61.2キロ)~140ポンド(約63.5キロ)ぐらいなので、計量後にも体重が上がることはほとんどないよ」。

清水聡「自分は30歳でプロ転向したが、(パッキャオは)37歳で衰えを感じることはない?」
パッキャオ「年齢がどうというよりもどう練習するかが大事だと思う。ポイントを絞って怠けずにトレーニングし、普段の生活で規律正しくすることが大事か」。

松本圭佑「いつも試合のときに楽しそうに入場するが、どんなことを考えているのか」。
パッキャオ「ボクシングは私の情熱だからね。気持ちがワクワクしているんだよ。いつもファンを楽しませたいと思ってリングに上がっているんだ」。
自らグローブをはめ指導
 12月30日に4度目の防衛戦を控えている井上尚弥が父親の真吾トレーナーを相手にワンツーから左フックの軽いミット打ちを披露すると、パッキャオは立ち上がって「左フックは肘を上げて打った方が当たりやすい」とアドバイス。自らもグローブを着用して手本をみせた。
世界王者の井上、八重樫と
 発表会見後、メディアの取材に応じたパッキャオは、次戦は上院がオフになる4月か5月に計画していると明かした。また、フロイド・メイウェザー(米)との再戦に関しては「彼がカムバックするかどうかも分からないし、だから交渉もしていない状態」と話したが、「でも、再戦が実現するなら勝つ自信はある」と断言した。なお、「パッキャオジム」はフィットネスのトレーニングが中心で、来年1月15日にオープンを予定している。ジムの住所は、東京都渋谷区神宮前1-19-19 B1F