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[試合後会見]2016.11.1

安定王者にまさかのアクシデント!

岡田の拳がめりこむ
 全14階級の日本王者のなかで、今最も安定感を発揮するスーパーライト級王者の岡田博喜(26=角海老宝石)が、1日の後楽園ホールで同級8位の細川バレンタイン(35=宮田)を迎え、6度目の防衛戦に臨んだ。 ここまで13戦13勝(10KO)の全勝王者は、開始からスピードの乗った多彩なジャブ一本で試合をコントロール。このまま右に繋げ早期決着かと思われたが…。
細川も猛打で追い込んだが
 10年選手のベテラン細川も詰めては強打を振るい、3ラウンドには連打で押したが、これは王者のガードに阻まれ反撃の一手とはならず。5回終了時のスコアは49-46が1者、50-45が2者で岡田がリードした。後半に入り勝負を決めたい岡田だが、パンチは低く入る細川の頭部に集まってしまい、これで拳を痛めたのか時折顔を歪ませた。それでも終盤は猛攻をかける挑戦者にワンツーを連打し、このまま逃げ切り。最大8ポイント差をつけ6度目の防衛に成功した。
いや~強かった
 3度目のタイトル挑戦も失敗に終わった細川は、控え室に戻るなり「強い、本当に強いね~」と王者に脱帽。「相手の中に入ることはできたが、中に入った時間が少なかった。出ようと思ったところにジャブで止められた。やみくもに行かせてくれないのが彼の上手さ。インファイトは徹底して手を出してこなかった。パンチはこれまでの相手で一番速かった。そしてとにかく上手かった」と冷静に振り返り、王者の強さを認めた。「前半でポイントを離されたが、判定で逆転できると思っていたので気にならなかった。自分のこれまでのキャリアの中では、負けはしたが十分にチャレンジできたのではないか」と言うと涙で頬を濡らした。今後について細川は、「ボクシングも仕事も100%でやっているし、大好きなボクシングをまだ全部は出し切れていない」とし、明言は避けたものの再起の可能性も残した。
7回に両拳を痛めてしまった
 一方、リング上で王座返上を希望した岡田は、案の定7回までに両拳を痛めたが、その中でも冷静に戦うことができたと安堵の表情を見せた。今後については鈴木眞吾会長、佐藤直樹トレーナーとも相談して考えたいとしたが、来年のチャンピオンカーニバルで再び元同門の麻生興一(三迫)を迎えるため、やはりタイトル返上が濃厚。鈴木会長も「麻生はウチにいた選手だからね。(タイトルを)獲らせてやりたい」との親心を見せ、岡田には東洋太平洋もしくはWBOアジア・パシフィックへのステップアップを望んだ。
採点表