[試合後談話]2016.9.13
日本初WBOアジア地域タイトル戦
近藤、気迫の一撃
13日(火)に後楽園ホールで開催された「ファイティング ビー18」のメインイベント、WBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王座決定戦、WBOアジア・パンパシフィック同級4位(IBF世界同級6位)近藤明広(31=一力)とWBOアジア・パンパシフィック同級6位ジェフリー・アリエンザ(25=フィリピン)が対戦した。約4年半ぶりのタイトル戦に闘志を燃やす近藤がどのようなパフォーマンスを見せたのか?
久しぶりにベルトを獲得
序盤はサウスポーのアリエンザが左右のフックを皮切りにパワフルな攻撃を展開。後手に回った近藤だが、左フックをボディに決めて体力を削りにかかった。中盤は体をつけてショートパンチの応酬となるが、近藤は回転のある連打でロープに詰めてダメージを与えた。8ラウンド、近藤は左右のフックを上下に決めるとアリエンザは左目上をカット。近藤は右目上を偶然のバッテイングでカットした。打ち合いは激しさを増したが11ラウンド、近藤はギアを上げるとロープに詰めて怒涛の連打を繰り出すとレフェリーがついに試合をストップ。近藤が新チャンピオンに輝いた。
ベルトの価値を上げるのは自分次第
控室に戻ってきての第一声は「あ~!良かった!」と安堵の表情を浮かべながらベルト膝の上に置いた近藤。「効いたパンチはなかったがボディを攻めていたら前のめりになって余計なパンチをもらってしまった。序盤、ペースを取られこのままズルズルいったら判定で負けると思ったので4ラウンドからペースを変えた」と冷静に試合を振り返った。スーパーライト級は余裕があるのでライト級がベストだという近藤だが「世界戦をやってもただの思い出作りになる。時間は限られているが、まずはアジア王者として価値を高めたい。それにはもっと練習いないといけない」と前を見据えた。
粘りを見せた
最後の最後まで勝負を捨てず好試合を演じたアリエンザは「近藤はグッドボクサーだがストップは早すぎる。左ボディは効いたが採点はもっと競っていると思った。残念だ」とジャッジに不満を漏らしながらもサバサバした表情を見せた。
なお、今回のWBOアジア・パシフィック王座は日本ボクシング協会の要請を受け、日本ボクシングコミッション(JBC)が非公認ながら国内での試合の開催を認めた第1戦となったが試合後、JBCの浦谷信彰統括本部長は「価値を上げるために厳選された試合にしていきたいと思う。日本人の場合は日本ランカーの縛りがあるが、タイやインドネシアの選手はしっかりと精査していく」とWBO役員と見解が一致したとコメントした。
採点表