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[リオ五輪]2016.8.11

森坂嵐1回戦速報

 リオ五輪ボクシング競技では日本時間の10日23時からの部で男子バンタム級の1回戦も行われ、森坂嵐(東京農業大)がアラム・アバギャン(アルメニア)と対戦した。成松大介が前日に2回戦で敗退し、日本の2大会連続メダルへの夢は、森坂に託されたが果たして結果は?
 森坂には過大評価と過小評価の狭間を走ってきた印象があるが、少なくともそのボクシングには、10代では並外れた安定感を持っていたことは確か。ハタチを迎えた直後に五輪に出場できることには、誰よりも本人が驚いていたが「大舞台を多く経験された井上尚弥さん・拓真さん兄弟とのスパーで、大一番に備えたい」と燃えていた。
 相手のアバギャンはヨーロッパの国際大会で毎度上位に食い込んできた実力者。森坂がこの大舞台で少しでも萎縮したら、その獰猛な攻めで飲み込む危険性を持っていた。
 しかし立ち上がりで柔軟に攻めたのは森坂。アバギャンについて「一見頑丈そうなブロックだがボディを丁寧に突けば、顔につなげるチャンスがありそう」と語っていたように、顔から左ボディアッパーへのコンビネーションを積極的に組み立てた。予想よりアバギャンが手を出さなかったこともあり、初回はジャッジ2者が森坂を支持。1者は単発ながら、森坂の顔に深くビッグパンチをめり込ませたアバギャンを評価した。
 2回はボディブローが少し効いたと見たのか、森坂が顔への攻撃も増やしていくが、そこへの被弾も多くなり、ジャッジは3者ともアバギャンを支持した。
 取ればスプリット判定で勝てる最終回。森坂は中距離で足を使い、ポイント稼ぎを試みるが、アバギャンはやはり頑丈で、その小さな顔は、森坂のパンチで跳ねあがることがあまりなかった。最終回は初回をアバギャンに付けたジャッジも森坂を支持したが、1者がアバギャンを支持して、判定は、28対29でアバギャン支持が2者、29対28で森坂支持が1者の2-1でポイント負け。「相手の予想していた以上のパワーと、顔への被弾の多さが敗因」と森坂は反省した。
 森坂が初戦敗退により、日本勢は全滅となった。