岡田博喜、V5後は返上も

　減量苦により険しい表情で姿を現した岡田だが、コンディションはきっちりと仕上げリミット丁度の63.5kgで一発パス。続いてタイトル初挑戦ながら落ち着いた雰囲気を感じさせる青木は、100gアンダーの63.4kgとこちらも一発でクリアした。

　持参した水筒のお湯を飲み一息ついた岡田は、ようやく笑顔を取り戻し挑戦者の印象を語った。「ガンガン飛ばしてくるタイプで、打つタイミングも素人っぽくてやりにくそう。パンチも無くはないはず。それだけは気をつけたい」とパワーファイトを持ち味とする青木を十分に警戒。その上で、「最初から最後まで落ち着いて自分のペースで進めたい」と話し、5度目の防衛に自信を示した。また、3連続KO防衛中の全勝王者はKOを狙わないとしつつも、王座返上のプランがあることを明かし、そのためにも「試合内容にはこだわりたい」と意気込んだ。

　一方、4回戦時代に一度挫折し3年のブランクを作るもその後奮起し、デビューから10年掛けて日本王座挑戦のチャンスを掴んだ同級3位の青木は、岡田をボクシングが上手い王者と評価したが、「彼にないものが自分にはある」と雑草魂をアピール。「明日は試合を楽しみたい。力を出し切って必ずタイトルを静岡に持ち帰る」とベルト奪取を宣言した。続けてここまではプラン通りに来ているとし、「今年日本を獲って来年は東洋太平洋。そして再来年は世界」と、すでに日本王座戴冠後の青写真も描いていた。