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[試合後会見]2016.4.28

ウェルター級の頂点に立ったのは?

初回から波乱の展開が待ち受けていた
 2016年度チャンピオンカーニバルの最後の一戦となった日本ウェルター級タイトルマッチが28日、後楽園ホールで開催された。今年1月にベルトを獲得したチャンピオン新藤寛之(29=宮田)が指名挑戦者の有川稔男(31=川島)と拳を交えた。
 勝者に対して試合前、後楽園ホールに観戦に訪れていたランキング4位の矢田良太(26=グリーンツダ)より挑戦状が届いていることがアナウンスされた。
採点表
 初回、サウスポー新藤はジャブを出しながら左ストレートを狙うのに対し、インファイトを仕掛けたい有川は右ストレートを起点に接近戦を挑む。すると有川の強烈な左フックが決まり痛烈なダウンを奪った。願ってもないスタートを切った有川はその後も勢いよく距離を詰めては右ストレートをボディ、顔面へと好打。5ラウンド終了時の公開採点で3~4ポイント差をつけてリードした有川はその後も果敢に攻め込みポイントを奪った。守勢を強いられた新藤も王者の意地を見せて左ストレートを的確に決めて懸命の追い込みを見せたが有川の勢いは止まらず。最終10ラウンド、右ストレートで後退させると新藤のセコンドからタオルが投入。有川が新チャンピオンに輝いた。
ベルトは良いもんですねと有川
 最強後楽園MVPを獲得した勢いそのままにベルトを奪った有川は「今回の目標はKO勝ちすることと右手を折らないことだった。一つは達成できた」と7ラウンドに過去に3度手術している右拳を再び負傷しながらの勝利だったことを告白。「攻撃は練習していたことの半分も出せなかったがたまたま左フックが当たり、気持ちに余裕ができた。最後まで冷静に戦おうと思っていた」と感想を口にした有川。矢田から挑戦状が届いているが「一度試合を観たことはあるが今は拳を治すことが先決。それから考える」と口にした。
 川島ジム創設16年目、4度目のタイトル挑戦で念願の王者を誕生させた川島郭志会長は「本当にありがとう。でもここからだな」と愛弟子に感謝の意を伝えるともに防衛ロードに早くも気を引き締めていた。
相手が上手かったと新藤
 1月に手にしたタイトルを手放す形になってしまった新藤は採点表を眺めながら「初回にもらったダウンでペースを取られてしまい最後までリズムに乗れなかった。途中ボディをもらったが効いていなかったが効いた様に見えるなら見栄えの悪い自分が悪い」と淡々と試合を振り返った。
矢田良太(グリーンツダ)
 この試合を観戦した矢田は「有川はしっかりとプレスをかけてロープを背負わせる良い展開を作ることが出来たのがKOに繋がった。新チャンピオンおめでとうございます。是非、僕と初防衛戦を戦ってください。熱い試合を約束します!」と闘志を燃やし、大阪に帰るため足早に新幹線に乗り込んだ。
有川に勝ってから5戦負けなしの坂本
 現在、ランキング2位で来月には1位に繰り上がることが濃厚の坂本大輔(34=角海老宝石)もリングサイドで試合を観戦。「有川は勝つには勝ったが力が入っていたように感じた。自分とは噛み合う相手なので一からボクシングを立て直してさらに強くなり必ずベルトを巻きますよ」と2014年4月に有川と対戦(坂本の1ラウンドKO勝ち)している坂本は返り討ちをするとともにベルトを奪い取ると宣言した。