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[試合後会見]2016.4.16

京都決戦、日本王座は?

予想以上の大激戦
 16日、日本ライト級王者・徳永幸大(26=ウォズ)の3度目の防衛戦が、同級1位の荒川仁人(33=ワタナベ)を迎え島津アリーナ京都で行われた。スロースターターの傾向がある両者だが、試合は初回から大きく動いた。
採点表
 立ち上がり、サウスポー荒川がプレスをかけながら攻勢に出ると、徳永の右ストレートに左ストレートを合わせて先制のダウンを奪った。2ポイントビハインドで試合をスタートすることになった徳永は、右ボディアッパーで活路を見出そうと懸命の反撃。接近戦でも互角な打ち合いをみせて会場を大いに沸かせた。5ラウンド開始すぐに荒川がワンツーを決め2度目のダウンを演出。チャンスを迎えたが、ここは冷静に勝負の時を見定めた。前半を1~3ポイント差で荒川がリード。徳永は流れを変えようと必死の反撃を試みると荒川もこれに応戦。8ラウンドに左ストレートで顔を弾きペースを渡さなかった。壮絶な打撃戦は試合終了のゴングが鳴り響くまで続き、チャンピオンカーニバル屈指の好カードは予想通りの白熱のファイトとなった。判定は2~4ポイント差で荒川に軍配が上がり、4年10ヶ月ぶりに日本王座のベルトを手にした。
恩を返すことができてうれしい
 左目を赤く腫らしながら控室に戻ってきた荒川は「結果が出て良かった。僕を受け入れてくれたワタナベジムの全ての関係者に感謝している。まずは最低限の恩を返すことができた」と安堵の表情。「最初に奪ったダウンはタイミング良く決まったもの。2度目のダウンを奪えたのが今日の収穫。もっと的確にパンチを当てていくことができればさらに強くなれる」と試合を振り返った。また拳を交えた徳永については「防衛を重ねているだけあってメンタルが強く、最後まで勝負を諦めていなかった。こう言ってはなんだけどこの結果を糧にさらに強くなってほしい」と称えた。最後に荒川は、「これからまだボクシングを続けることができるのがうれしい。明日にタイトル挑戦を控えている船井(明日、日本スーパーフライ級王座に挑戦)に良いバトンを繋げることができた」と白い歯を見せた。
渡辺均会長
 ワタナベジム渡辺均会長は「ただただ、ありがとう。それに尽きる。うちの救世主です」とワタナベジム所属選手による日本タイトル挑戦を8連敗でストップした荒川に感謝。「(日本チャンピオン)ここに留まっているような選手ではない。今後のことは相談して決める」と即答は避けたものの、再び世界の舞台を用意することを示唆した。
最後まで観客を沸かせたが
 一方、約1年間保持していたベルトを手放した徳永は「やはり強かったです。あの左をもらわないようにと思っていたがダメだった。途中の採点は思ったより離れていなかったからアッパーを入れて逆転を狙った。でも完敗です」と肩を落とした。「この試合が僕には大きなターニングポイントだと思っていたので今後のことは今は考えられない」とコメントすると悔し涙で頬を濡らした。
試合が終わればノーサイド