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[試合後会見]2016.4.14

拳四朗の初防衛戦は意外な決着

左:角谷 右:拳四朗
 日本ライトフライ級王者、拳四朗(24=BMB)の初防衛戦が14日、同級1位の角谷淳志(30=金沢)を迎えて後楽園ホールで行われた。6戦全勝(3KO)のホープと世界挑戦も経験したベテランの対決は、意外な幕引きが待っていた。
フィニッシュの瞬間
 立ち上がり、前に出ると先に仕掛けた王者だったが、バックステップする挑戦者の懐は深く、コーナーに詰めかけたところで逆に左フックを浴びてしまった。ここからワンツーを放つ角谷と距離が近くなった拳だが、絡み合った中でも手を出し続け、左フックを効かせ角谷の膝を折った。この一発から拳が畳みかけ、右アッパー、左フックで連続して2度のダウンを奪うと、最後は足に力が入らない角谷に右のショートを浴びせフィニッシュ。尻をついた角谷を見て、レフェリーがノーカウントで試合を止めた。
チャンピオンが強いのかも分からなかったと角谷
 試合後、角谷はショックを隠しきれない様子で「やっちゃいましたね」と口を開き、「いつもは2ラウンドから調子が上がってくるのに、何もできないうちに終わってしまった」と項垂れた。
ビックリしたと拳四朗
 一方、この結果に一番驚いたのは拳四朗本人。「ジャブにカウンターを合わせる作戦だったが、まったく違う形になった。クリンチした時に相手が下を向いたが、ストップがかからなかったので左フックを打った。あれが効くとは思わなかった」と振り返り、驚きと喜びに顔がほころんだ。それでも、今回はこれまで以上に減量がきつく、「出だしの足が重く、身体も硬かった」と反省。拳四朗の父でBMBジムの寺地永会長も「課題は多い」としつつも、プロになってから始めた体幹トレーニングにより確実にパワーが増していると手応えを感じていた。
ライトフライ級の舞台は世界戦へ
 年内の世界挑戦を目標に掲げる親子は、二人の日本人世界王者に加え、前WBOミニマム級王者の田中恒成(畑中)も殴り込むライトフライ級戦線に良いアピールができたとも話す。さらに拳四朗は、WBA王者の田口良一(ワタナベ)か、IBF王者の八重樫東(大橋)のどちらに挑戦したいか問われると、今回の試合前にスパーリングパートナーを務めた「田口さん」と答え、今月27日の田口の防衛戦を楽しみにしていた。