[試合後談話]2016.3.18
バンタム級、新王者は?
初回から益田が攻めた
大森将平(22=ウォズ)が返上により設置されたチャンピオンカーニバル、日本バンタム級王座決定戦は18日、後楽園ホールで開催された「DANGAN 157」のセミファイナル、同級1位の益田健太郎(32=新日本木村)と同級2位・田中裕士(24=畑中)によって争われた。王座返り咲きを目指す益田とタイトル初挑戦の中部のホープ田中の対戦は立ち上がりジャブの差し合いでスタートした。
ベルトが再び益田の元に
初回から益田が力強いジャブから右ボディを好打。2ラウンド、益田は左ボディで田中をくの字にするが、深追いはせず冷静にダメージを与えた。ペースを変えたい田中はワンツーで反撃を試みるが、益田の硬いガードに有効打を奪えず。5ラウンド終了時の公開採点を50-46が1者、50-45が2者でリードした益田はさらにペースアップ。左目が大きく腫れ、劣勢の田中だがタイトル奪取に粘りを見せ反撃の糸口を探した。しかし、8ラウンド、益田は右フックで顔を弾くと一気に襲い掛かり、最後はロープに詰めて連打を繰り出したところでレフェリーが割って入った。
さらに上を目指す
約11ヶ月ぶりに王座に返り咲いた益田は「やっと戻ってきたな」と安堵の表情。「思っていたよりジャブが煩くなく攻めて来なかったのでやりやすかった」と冷静に試合を振り返った。王座を失ってから基本の確認、ジャブの精度を上げたという益田は「年齢のこともあるしさらに上に行きたい。外国人の世界ランカーと試合がしたい」と今後の抱負を口にした。試合後に子どもをリングに上げた益田は「ボクシングが仕事。勝ってまだ続けることが出来るのがうれしい」と声を弾ませた。
上手かったと田中
最後まで勝利を諦めなかったが最後はレフェリーに止められた田中は「相手は距離を作るのが上手く何もできなかった。本当に上手かった。悔しいです。とりあえずゆっくりします」と潔く完敗を認めていた。
坂本 英生(30=フジタ)
試合を観戦した日本バンタム級6位の坂本英生(30=フジタ)は「益田選手がどの距離でも支配していた。初回から積極的に右を使っていた。田中選手は後手に回ってしまいましたね。益田選手の上手さが光った」と感想を語った。
水野 拓哉(20=松田)
同じくリングサイドで観戦した2015年中日本バンタム級新人王の水野拓哉(20=松田)は「試合前に田中さんとスパーリングをしてもらっていたので悔しい。益田選手は賢いボクシング。レベルが高くて今の僕ではスカスカにされてしまいます」と益田の強さに驚いていた。