ボクシングモバイルニュース
[試合後会見]2016.3.18

世界をアピールしたのは?

激しいペース争いが繰り広げられた
 18日、後楽園ホールで開催された「DANGAN 157」のメインイベントではチャンピオンカーニバル、日本フライ級タイトルマッチ、王者・粉川拓也(30=宮田)対同級1位・黒田雅之(29=川崎新田)が行われた。再び世界を目指す両者の攻防に会場のボルテージも上がった。
採点表
 序盤、粉川がスピードを生かした攻撃を仕掛けると黒田は力強い左フックで抵抗。粉川がラウンド終盤に手数で攻勢をアピールした。5ラウンド終了時の公開採点で2者が49-46(粉川)、1者が48-47(黒田)と折り返すと、7ラウンドには左フックの相打ちで黒田の膝を揺らした。終盤、懸命に肉薄する黒田だったが粉川は距離を作りながら飛び込んでの左フックでポイントを稼いだ。最終回、両者は持てる力を振り絞って懸命に打ち合う中、試合終了のゴングが鳴り響いた。終わってみれば最大6ポイント差をつけて粉川が2度目の防衛に成功した。
良かったのはジャブだけだと粉川
 指名挑戦者を退けた粉川だったが「1ラウンドにバッティングで歯がグラグラしてしまい、さらに3ラウンドから足がつりそうになった。足が使えない分カウンター狙いにした」と試合中にアクシデントがあったことを告白。「相手は思っていたよりパンチはなかったがスピードがあった。最初、力み過ぎてしまい雑になったので途中からジャブから組み立て直した」と試合を振り返った。今後について「世界戦をやりたい。4団体どこのチャンピオンでもいいので決まれば死ぬ気でやります。すぐに世界戦が出来ないのであれば一度負けた村中選手にリベンジしたい。お願いします!」と今年31歳になる粉川は勝負の年にしたいと口にした。
粉川選手は上手かったと黒田
 一方、敗れた黒田は「粉川選手は決して調子が良いとは感じなかったが上手くかわされた」と悔しい表情。「心身ともに自分の甘さが出たがまだまだこんなものじゃないはず。来週から練習をはじめ出直します」と早くも再起の意向を示した。
比嘉大吾
 試合をリングサイドで観戦したWBCユースフライ級王者の比嘉大吾(20=白井・具志堅)は「粉川選手はペースを取るのが上手かった。相手に自分のボクシングをさせない上手さがあった。黒田選手は飲み込まれてしまったのではないか」と感想を語った。