[試合後会見]2016.3.11
1年8ヶ月ぶりの再戦
まさかの展開が待っていた
11日、後楽園ホールで開催された「ダイナマイトパンチ&DANGAN156」のメインイベントはチャンピオンカーニバル開幕戦、日本&OPBFミドル級タイトルマッチ、王者・柴田 明雄(34=ワタナベ)対同級1位・西田光(28=川崎新田)が行われた。前回以上の勝ち方を命題に挙げた安定王者の柴田がどのような戦いを見せたのか――。
新王者誕生!
初回、大方の予想通りフットワークを駆使して快調にジャブを飛ばす柴田に対し、西田はガードを固めてプレスをかけた。2ラウンド、柴田のペースで進み始めたが、接近戦で体が密着した瞬間、西田の左のショートフックが顎を捉えると柴田は腰から砕けるダウン。なんとか起き上がるがダメージは甚大。すかさず西田が追撃しダウンを追加。なんとかこのラウンドを逃げのびた柴田だったが、1分のインターバルで回復せず、西田が猛追をすると3度目のダウンを喫した。柴田は立ち上がることができず10カウントが数え上げられ、西田が2度目の挑戦で新チャンピオンに輝いた。
夢のようだと西田
ミドル級絶対王者を破り世代交代を成し遂げた西田は「考えていたよりも早く倒れた。最初に奪ったダウンは左フックだったが感触はなかったのでビックリしている」と夢見心地といった様子。「最初にダウンを奪ったがここは行くべきか抑えていくのか自分で判断しない方がいいのでセコンドの指示に従った」と冷静さを保っていた西田。試合前に元WBC世界Sウェルター級王者の浜田剛史氏が始めて世界を獲った時の試合を見せたという新田渉世会長は「イチかバチかの勝負をさせようと最初から飛ばしていく作戦だった。レベルは違うけれども少しは近い試合ができたかな」と目を細めた。まだ実感が沸かないという新チャンピオン西田はこれから防衛ロードを突き進む。
ショックを隠し切れず…
一気に2本のベルトを失ってしまった柴田は「接近戦の練習をしていて自信がついていたので足を使う自分の長所を消してしまい、中途半端なボクシングになってしまった」と反省の弁。「相手の方がよく研究してきていて強かった」と新王者を褒めたたえた。今後については「ベルトがある間は頑張ろうと思ってやってきた。後日、気持ちを整理して決めたい」と明言を避けた。