[試合後会見]2015.12.21
大激戦の行方は?
ホールが揺れた!
21日、後楽園ホールで開催された「DANGAN149」のメインイベントは小國以載(27=角海老宝石)の返上による日本Sバンタム級王座決定戦、同級1位・久我勇作(25=ワタナベ)対同級2位・石本康隆(34=帝拳)が行われた。なんとしてもベルトを巻きたい両者は大方の予想通り、序盤から激しい攻防を見せた。
採点表
大歓声ではじまった試合は初回、パワーで勝る久我が右ストレートで膝を揺らす好スタートを切った。勢いに乗った久我はさらに攻め
込むが、これが3度目の挑戦となる石本も左ボディで反撃。インターバル中には、応援合戦が繰り広げられるなか、両者一歩もひかない一進一退の攻防をみせた。5ラウンド終了時に発表された公開採点は2者が48-47が石本、残り1者が48-47で久我という大接戦。後半に入ってもお互いスタミナが切れる気配をみせず、手数を出して激しいペース争いとなった。9ラウンド、石本が距離を取りながら有効打を決めては要所要所で休むテクニックをみせた。最終回は年間ベストラウンドといっても過言ではない激しい打ち合いを展開。拍手喝采で終了した試合は1~2ポイント差で石本が念願のタイトルを獲得した。
やったというよりホッとした
控室に戻ってきた石本は「嬉しいというよりホッとしている。ボクシングは一発勝負の世界なので3度目の正直という言葉は格好良くないが、3度もチャンスをもらえたことに感謝しているし結果を出すことができて良かった」と勝利の味を噛みしめた。勝因を「キャリアからくる経験の差。それと勝ちに対する執念の差」と話した石本。久我の印象を「パンチがあって勢いを感じた。序盤にパンチをもらって目が覚めた」と話したが「ジャブの見栄えの良さが勝敗を分けたのではないか」と冷静に分析。今後について「こんな内容では世界なんて恥ずかしくて言えない。まずは一戦一戦、戦っていくだけ。これでボクシングを続けることが出来るのがうれしい」と安堵の表情を見せて会見を終えた。
緊張せず素晴らしい動きを見せたが…
惜しくもタイトルを逃した久我は「スタミナは大丈夫だったが、行きたいことろで行かせてもらえなかった。キャリアの差が出てしまった。この経験を糧にします」と前を向き挑戦を続けていくと誓った。
ついに獲った!