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[発表会見]2015.11.4

5年目の大晦日

渡辺会長・内山・田口
 東京・五反田のワタナベジムでは、今年の大晦日もWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志(35=ワタナベ)とWBA世界ライトフライ級王者・田口良一(28=同)の「ダブル世界戦」が、大田区総合体育館で行われることが発表された。両選手とも挑戦者は未定。
日本の文化を担うW王者
 K-1やPRIDEのムーブメント時代に根付いた「日本の大晦日は格闘技」の文化を、内山が引き継ぐ試みがあってから早5年目。内山自身も周囲の反応が「最初の頃の“え、また大晦日?”から今は“今年も大晦日でしょ?”にすっかり変わった」と語り、とうに覚悟ができていたと言わんばかりの表情を見せた。
「あるものだと思われている以上、面白い試合が期待されていると思っている。それに応える気持ちで調整していきます」
V11戦目の内山
 1週間後の今月10日には36歳を迎える内山は、年に1、2回の試合サイクルで、10度の防衛戦を行ってきた。日本人では最高となる具志堅用高氏の13回もいよいよ近づいている。
それについて内山は「記録に興味はもちろんあるが、そのなかで他団体の王者との統一戦も乗り越えるのが理想」と語りながらも、日本のファンが最も興味を持つWBC世界同級王者・三浦隆司(31=帝拳)との再戦については「今は特に意見はない」とだけ口にした。
V2戦目の田口
 内山の前に世界戦を行う田口は2度目の防衛戦となる。この王座こそが具志堅氏が守り続けたものだが、「自分には防衛記録は10も遠すぎて見えない。1回、1回、みんなが面白いと思うような試合をくぐり抜けていきたい」と語り、「打撃戦が自分の持ち味なので、激闘を楽しんで、いい形で内山さんにつなぎたい」と強気のコメントを残した。
「ビザで焦りたくない」と相手探しを急ぐ渡辺会長
 今回、挑戦者が発表されていなかったことについて、所属先の渡辺均会長は「指名試合以外にもWBA側から提案された選手がいるし、色々と交渉しているが、最低限、ファンの認めるいい試合を手がけたい」と約束し、「できれば無敗の挑戦者がいい。二人共、気持ちの強いチャンピオンなので、河野のようにくぐり抜けてくれると思う」と信頼を寄せていた。
米国デビューを果たした河野
 ワタナベジムではひと足早く、WBA世界スーパーフライ級王者・河野公平(35)が亀田興毅(28)との防衛戦を米国シカゴでクリアした。それについて、内山は「ジムが日本タイトルで苦戦していたので活気づける機会をくれた」と感謝し、田口は「注目度の高い試合で勝つ姿は、後輩として勉強になった」と誇らしげにしていた。
 試合はテレビ東京系列でゴールデンタイムに全国放送される。