[試合後会見]2015.9.6
初のタイトルを手にしたのは?
微妙な判定へ
5日、後楽園ホールで行われた「DANGAN138」のメインイベントには、王者・岡田博喜(26=角海老宝石)の拳の怪我により設けられた、日本Sライト級暫定王座決定戦が、1位・中澤将信(33=帝拳)と同級6位小竹雅元(28=三迫)の間で争われた。試合は序盤から白熱の攻防を見せ、会場は大歓声に包まれた。
採点表
序盤はサウスポー小竹のフットワークが冴え、顔面・ボディへとパンチを決めペースを握るのに対し、中澤はガードを固めながらボディを攻め立て後半勝負に出る作戦に。48-47、49-47、47-48で2者が小竹を支持して折り返した後半だったが、中澤が常にプレスをかけて連打を繰り出すと、小竹は距離を取りながら単発で返す展開になった。最後までギアを入れ続けた中澤がポイントを稼ぎ、試合終了のゴングを聞いた。ポイントは競ったが中澤がポイント差を逆転、同じ高校出身(福島県立若松商業)の先輩・後輩対決は4つ上の中澤が制した。
中澤、歓喜の戴冠
初のタイトルを手にした中澤は「ベルトを巻くなんて信じられないです」と喜びを隠さずに爆発。試合が終わった後は「(判定は)どっちに転ぶかわからなかったので赤コーナーと呼んでくれ! 」と神にもすがる思いだったという。担当する葛西裕一トレーナーは「前半はポイントを捨てて後半勝負の作戦だった」と話し、「練習ではもっと良いのですが、不器用な選手なので今日はこれで勘弁してください」と周囲の笑いを誘った。そして「今日は本当に良く頑張った。ディフェンスの面も含めて成長している」と愛弟子の栄冠を手放しで褒め称えた。
笑顔の中澤陣営
27歳で帝拳ジムに入門し、7年目でベルトを手にした中澤は「まだまだ伸びしろはある。(正規王者の)岡田は上手い選手だが早く戦いたい」と、年内にも予定されている王座統一戦に目を向けていた。
悔しい小竹
一方、前半ポイントでリードしていただけに悔やまれる敗戦となった小竹はショックを隠し切れず、うつむき加減で会見にのぞんだ。「後半に追い上げてくるのはわかっていたので、前半にどれだけポイントを取れるかだったのですが、途中採点にそれほど開きがなかった」と悔しさを滲ませた。「もっとワンツー・スリーといきたかった。単発になってしまった」と反省の弁が口をついた。「それほど打たれていないが負けは負け。一から出直しです」と再起を誓った。