河野の会見に亀田乱入

　当初は6月に予定されていたタイトル戦だが、河野の脇腹負傷で延期となり、9月開催を希望していた亀田陣営と日程調整で合意が難航していた。ようやく正式決定したことにより、河野は「絶対に勝つと燃えている。今まで一番モチベーションが高い」と珍しく気勢をあげた。

　続けて海外戦が豊富な亀田について「思った以上にスピードとパンチのある選手」と評価し、「勝つのは至難。KOしかないと思っている」と警戒したが、「アメリカは小さい頃からの夢。世界チャンピオンとしてリングに上がれることが嬉しい。注目されることも王者として誇らしい。自信は100%ある!必ず倒す」と笑みを浮かべた。

　するとここで、会見場の後方から「大事そうにベルトを抱えているが、今のうちにしっかり眺めておけ。今のボクシングじゃ俺に勝てない」と言い放ち、挑戦者の亀田が乱入。予期していなかったハプニングに戸惑う王者と握手を交わすとさらに詰め寄った。サングラスをしたまま顔を近づけ、驚くばかりの河野を10秒ほど睨みつけると流石に緊張が走り、渡辺均会長が「ここはワタナベジムだ!」と声を荒げ制止。河野から離れた亀田は、「アメリカに出発する前にチャンピオンの顔を見ておきたかった。しっかり練習してくださいね」と言葉を残し、会見場を後にした。

　初対面の亀田に不意討ちを食らった河野は、「オーッ、亀田だと思いビックリした!やらかしてくれるところが流石。会えて嬉しかった」とサプライズに仰天したまま。しかし、帰り際の亀田の「力の差がありすぎてKOで勝てる」とのコメントについては、冷静さを取り戻し「今のうちに言っていればいい。すべてはリング上で決まる」と返し、「お互いに負けたら引退。凄い試合になる」と更なる闘志を燃やした。