ボクシングモバイルニュース
[一夜明け会見]2015.5.31

実感まだない

日本最速王者
 日本人最速のプロ5戦目で世界タイトルを奪取したWBO世界ミニマム級新王者の田中恒成(19=畑中)が31日、愛知県春日井市内のカフェで喜びの会見を行った。
 「実感はまだない」と語る田中だが、笑顔には充実感を漂わせた。
喜びの会見
 笑顔で深々とお辞儀をしてから、会見に臨んだ田中は「まだ、王者になった実感はわかない。このままのような気もする」と感想を語ると「序盤、手応えのあるパンチをあてれたけど、相手はドンドン手を出してくるし、これが世界なんだなと思いました」と昨夜の激戦を振り返った。
 今後については「しばらくは体のケアをしつつ、またやりたくなったら練習を始めます。学校(中京大学)の授業も遅れ気味なので、6月中旬くらいからは学校にも行きたい」と大学生活にも意欲をみせた。
田中の父でトレーナーの田中斉氏
 昨晩は徹夜で喜びを爆発させたという父でトレーナーの斉(ひとし)氏は「チャンピオンになってなんか変わるかと思ったけど何にも変わりませんね(笑)」と記者の笑いを誘うと「恒成には、お疲れちゃん、と一言だけ言いました。実はさっきカメラマンの方に昨日の写真をいただいて、あっ俺はこれが欲しかったんだ、と思いましたね。アマチュアの時も東洋太平洋獲った時も頑なに拒否をしていましたから」。最後に「モバイルさん、恒成の戦力分析(今月のタイトル戦ページ)のチーム力の評価が低すぎるで、もっとあるやろ」と注文もいただいた。
畑中清詞会長
 畑中会長は「21年前にジムを興して、目標が達成された気持ちはあるけど、別に何も変わらない」と、こちらも平常心をアピール。田中への勝利のご褒美を聞かれた会長は「その辺はスポンサーの方々にお任せしてますから」と笑顔で躱した。
思い入れのリングシューズ
 会見に姿をみせた田中の高校の恩師で元プロボクサーの石原英康中京高校ボクシング部監督に田中から「石原監督が現役時代使っていたリングシューズをプレゼントしていただいて昨日履かせてもらい勝てたので、お返しするというのではなく、プレゼントとして石原監督にお渡ししたいと思います」と感謝と共にリングシューズが手渡された。
チーム恒成
 石原監督は「彼と高校の時に出会った時、この子は何かが違うと思いました。こうやって、世界王者になってリングシューズをプレゼントしてもらえて本当に光栄です」と喜びを語った。