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[発表会見]2015.5.8

岩佐、一発で獲る!

二人三脚で歩んできた師弟
 来月13日(日本時間14日)英国ブリストル開催のIBF世界バンタム級暫定王座決定戦を同級4位リー・ハスキンズ(31=英)と争う同級3位の岩佐亮佑(25=セレス)が8日、千葉・柏市の所属ジムで発表会見を開いた。この暫定王座は、正規王者のランディ・カバジェロ(米)がケガで戦線離脱し設けられたもので、IBFバンタム級は1位と2位が不在のため、ランキング最上位に就いている岩佐とハスキンスの間で決定戦が行われることになった。
セレスジムで開かれた会見
 日本開催を目指してきた岩佐陣営だが、イギリスは近年ボクシング人気が高まり、条件面で折り合いがつかなかった。ハスキンスの地元開催と敵地での厳しい戦いが予想されるが、岩佐は「逆にワクワクして気合が入る。向こうで獲ってくれば僕自身、良いアピールになる。必ずチャンピオンになって日本に帰ってくる」と決意。セレス小林会長も「正当な理由があって行われる暫定戦。胸を張って戦ってきたい」と話し、ジム設立12年目での世界王者誕生に期待した。
リー・ハスキンス
 ハスキンスはこれまで英国内タイトルを始めとする地域タイトルは獲得してきたが、世界挑戦はこれが初。戦績は34戦31勝(13KO)3敗で、スタイルは岩佐と同じサウスポーだ。セレス小林会長はハスキンスについて「元々フライ級でやってきた選手。身長、リーチで岩佐に分があり、ビデオで見た限りそこまで恐い選手じゃない。左の一発は確かに良いタイミングで打ってくるが、打たれもろさもある」と分析。「序盤から先手先手でしっかりペースを掴み、後半から終盤にかけて倒したい。持っているセンスや技術は確実に岩佐が上」とし、岩佐も「半端なラウンドは全部持っていかれるはず。会場の雰囲気に飲まれず、アグレッシブに攻めていきたい」と意気込んだ。
岩佐、頼む獲ってくれ!
 世界戦準備のため2度防衛した日本王座を返上したのが2年半前。この間に東洋太平洋タイトルを獲るも思うように決まらない世界戦に調子を落としていた岩佐だが、今年2月の前戦は正規王者ランディ・カバジェロ(米)への挑戦者決定戦が対戦相手の怪我で流れたにも関わらず、強い気持ちを全面に出し、苦手だったサウスポーを右でキレイに崩し圧勝。直近2試合を早い回で終わらせ、世界に弾みをつけた。これまで辛口だったセレス会長も前戦を評価し、「メンタルが強くなった。対左もコツを掴み急に良くなった」と目を細めた。岩佐も「時間がかかった世界戦だが、今思えば妥当なタイミング。満を持して一発で獲る!」と声を弾ませ、獲った後は防衛よりも日本人同士の世界統一戦を希望した。
会長の指導が間違いでないと証明したい!
 すでに走り込みのキャンプを終え、今後はフィリピンから招くサウスポーのユース王者とスパーリングを重ねるという。減量も早い段階から落としており、試合1週間前の出発までに残り1kgにしておきたいと話した。IBFの当日計量も、計量後の体重を大きく増やさない岩佐にとってはプラスに働くようだ。
まずは岩佐が世界へ!
 試合4日前にはプライベートでも仲の良い、東洋太平洋スーパーバンタム級王者・和氣慎吾(27=古口)のIBF世界同級次期挑戦者決定戦が予定されている。岩佐は「同じIBFでやはり縁がある。まずは僕が世界チャンピオンになるが、2人で獲って遊びに行きたいですね」と相好を崩した。
 日本人のイギリスでの世界挑戦は、1968年の故・関光徳氏(横浜光初代会長)、昨年11月の大竹秀典(金子)に続き3人目。中学の卒業文集で25歳で世界チャンピオンになると誓った岩佐が、いよいよ夢を実現する舞台に立つ!