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[試合後談話]2015.2.8

Sウェルター級の下克上

ひざまつく下川原
 日本スーパーウェルター級3位の下川原雄大(32=角海老宝石)と日本同級10位の清水優人(27=木更津グリーンベイ)とのランカー対決が、7日の後楽園ホールで行われた。B級昇格後、5連勝で初のランカー対決を迎える清水に対し、昨年8月の沼田康司(真闘→引退)との東洋太平洋同級王座決定戦に敗れた下川原は今回が再起初戦となった。
勝者:清水優人
 ともに183cmの長身、そしてアウトスタイルと似たタイプの一戦。先手を取りに出たのは下川原だったが、清水に打ち終わりを狙われ前に出れず。距離に苦しむ下川原は中盤に清水のジャブ、ストレートで顔を腫らしだすと、焦りからかパンチも大きくなり精度に欠いてしまう。逆に尻上がりに調子を上げた清水は、手数とコンビネーションこそ少ないものの、5回には追い討ちの右を2度3度ヒットさせダメージを与える。すると7回、攻勢の清水が終了間際に左フックでダウンを奪う。立ち上がった下川原だが左目の腫れは大きく、この回のインターバルで陣営が棄権。清水がランク上位を破る下克上をはたした。
気持ちが切れたと下川原
 試合後の下川原は、うつむいたまま「調子は良かったが、何故か途中で気持ちが切れた。何でかは分からない」とだけコメントを残し、応急処置に向かった。
喜びの清水
 一方、喜びに沸く木更津陣営。見事なアップセットに清水は、もう少し冷静な追撃が必要としたが「練習で手応えを掴んだ右を生かせた」と笑顔がこぼれた。デビューから3連勝後に2分、2敗と不甲斐ない成績を残した4回戦時代を振り返り、「覚悟が足りなかった。B級昇格後は悔いを残さないよう練習に打ち込みました」と飛躍の一端も。日本3位を破り、これで大きなランクアップが予想される清水は、タイトル戦線に躍り出たことに対し「いつでも構わない。心の準備はできています」と頼もしく答えた。