[試合後談話]2014.12.18
衝撃の右ストレート
試合の結末は突然に。
日本ウェルター級3位の斉藤幸伸丸(輪島)が17日、後楽園ホールのメインイベントに登場。68キロ契約8回戦のリングに上がった。今回の対戦相手はアーネル・ティナンパイ(比)。これまで日本のリングにも三度上がった経験がある。日本での戦績は1勝2敗と平凡だが、母国フィリピンでは、アジアの英雄、マニー・パッキャオのスパーリングパートナーを務める実力派だ。
斉藤は撃沈
試合が動いたのは初回、残り時間30秒を切った瞬間に訪れた。それまで、距離をとって強いジャブと右ストレートで様子を見ていた両者だが、残り20秒でティナンパイが、一歩踏み込むとワンツーで右ストレートを強打。すると斉藤がダウン。立ち上がったところでラウンド終了のゴングが鳴った。普段よりも約2キロ重い68キロ契約のリング、これが試合を左右した。斉藤のダメージが残る中で迎えた2回、開始早々に右ストレートを振り抜いたティナンパイ。斉藤は大の字にダウン。試合が決まった。
試合を決めた右ストレート
ティナンパイに斉藤戦のオファーが届いたのは2週間前。今月12日にIBFアジア王座決定戦に挑み戴冠した六島ジムの細川貴之のスパーリングパートナーとして、来日中のことだった。斉藤は、対戦相手の急な変更を余儀なくされる中で、対戦相手を模索。これが契約体重の約2キロアップにつながった。
細川も応援に駆けつけた
衝撃的なノックアウト決着の後の控え室でティナンパイは「斉藤選手はジャブが強かった。右ストレートは速くてパンチ力があった」と初回の前半に被弾した左側頭部を撫でた。
淡々とふりかえる
少し遅れて控え室に戻った斉藤幸伸丸はスッキリとした表情で「パンチがありましたね。軌道も違ったし、見えませんでした」とはっきりとした口調でティナンパイの印象を語ったが、口数は少なかった。