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[公開練習]2014.12.17

天笠、自信が2%上がった

陣営に秘策あり
 大晦日、大阪・ボディメーカーコロシアムでWBA・WBO世界スーパーバンタム級スーパー王者ギジェルモ・リゴンドー(34=キューバ/米)に挑む東洋太平洋フェザー級王者の天笠尚(29=山上)が、17日に都内のジムで公開練習を開いた。
減量は順調
 やや緊張した面持ちで練習前の会見に臨んだ天笠は、現在の心境について「世界戦をやる実感はない。ベストコンディションでリングに上がることしか考えていない」とコメント。一階級落としての減量も、新しく取り入れた酵素ダイエット(栄養の吸収と免疫力を高め、体調を整えて代謝を高めることによって効果を生む)が功を奏し、順調に進んでいると話した。
三瓶とのスパーリング
 相手はアマチュアで数々の世界大会を制した超エリート選手。この中には2000年のシドニー、2004年のアテネと五輪2連覇も含まれる。その後、苦難の末にキューバから亡命し、プロ転向後は僅か7戦目でWBA世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得。フットワークとパンチの見切り、攻防の速さはもはや芸術の域に達している。確かに、勝ちにこだわるファイトスタイルに賛否はあるが、超一流のボクサーであることには変わりはない。そんなスーパー王者に挑む天笠が、先月の発表会見で「99%勝てない」と自嘲気味な発言をしたのも頷ける。しかし、この日は「相手が速いのは分かっている。手数でリズムを崩し、とにかく一発、渾身のパンチを当てたい。今の自信は3%。これを試合までには5%に上げたい」と発言。これまで対策を練り、僅かながらも自信をアップさせたようだ。
小さいパンチを当てていきたいと山上会長
 「もしかしたら、もしかするかも知れない」とジム初の世界チャンピオン誕生に期待を寄せる山上哲也会長とともに、天笠を指導する内田洋二トレーナーも「早めに減量したおかげで、この時期にしては動けている。作戦は当日のお楽しみですが、僕は100%勝てると思う」。少なからず陣営に秘策はあるようだ。
内田トレーナーとのミット打ち
 最後に天笠は、大晦日のゴールデンタイムでテレビ中継されるビッグマッチに向け「勝敗はKO決着になるはず。インパクトのある試合にしたい」と意気込んだ。
強い相手と戦えることが嬉しい
 公開練習では、昨年度の全日本スーパーフェザー級新人王、サウスポーの三瓶数馬(19=協栄)と2ラウンドのスパーリングを行い、足を使う相手に対し、ジャブで詰めてはコンパクトな右をヒットさせ好調をアピール。内田トレーナーとのミット打ちでも、上下のコンビネーションを含めた重そうなパンチを次々と繰り出し、まだまだたっぷりと汗を流していた。