[公開練習]2014.12.16
大平、勝つイメージはある!
練習前の会見
大晦日の大阪・ボディメーカーコロシアムで、ミニマム級世界3団体制覇王者の高山勝成(31=仲里)とIBF・WBO世界同級王座決定戦を争う日本ミニマム級王者の大平剛(30=花形)が16日、神奈川県内の所属ジムで公開練習を開いた。
注目度は高い
試合まで残り2週間。練習前の会見で、順調に追い込めていると笑顔で語る大平は、初の世界挑戦に「不安を感じないことはないが、勝つイメージを持ちながら練習をしている。一生に一度あるかないかのチャンスを掴みたい」と意気込んだ。
後輩とのスパーリング
決定戦ながら、世界的にも異例な2冠を懸けての世界戦となったことについては「何でかなとは思うが、戦うのに(タイトルは)1つも2つも同じ」と本人は至って冷静。経験豊富な高山については「距離の取り合いを想定しているが、序盤からしっかりとペースを掴みたい。スタミナとサウスポーの利点を生かし、ずる賢く戦いたい」と話した。また、今年5月に高山に挑戦した元同門でサウスポーの小野心(31=ワタナベ)から、「高山のパンチはそこまで重くはないが、軽いパンチをコツコツ当ててくる。左ストレートはよく当たる」とアドバイスを受けたことを明かした。
世界獲りに矢野もエール
公開練習では、同門の矢野乃莉守(20/フライ級※4戦2勝1敗1分)と2ラウンドのスパーリングを披露。体格差のある相手にも関わらず、半身の構えで相手のストレートを遠ざけ、逆に鋭い踏み込みで左ストレートを次々にヒットさせた。よくパートナーを務めるという矢野は「相変わらず間合いや距離の取り方が上手いですね。以前よりスピードも上がり、攻撃的になっていますよ。パンチのバリエーションも増えています」と先輩に期待。その後の伊藤勲トレーナーとのミット打ちでは、この多彩なパンチの確認作業に終始したが、乾いた音をテンポよく響かせ、ワンツーのラッシュでフィニッシュした。
秘策もありそう?
2000年にWBA世界ミニマム級王座を獲得した星野敬太郎氏(現コパン星野ジム会長)以来、ジム2本目のベルトに期待を寄せる花形進会長は、「正直、高山の有利だと思うが、何も心配はしていない。大平は運を持っているよ」と多くは語らなかったものの、自信ありの笑み。場面によっては、会長直伝の花形スペシャル(見えない角度の右フック)も飛び出すかもしれない。
手数とスピード、そしてスタミナで勝負!
大学在学中にデビューした大平は卒業後、大手化粧品メーカーに就職し一度はリングから遠ざかったが、夢を諦めずに脱サラしてまで復帰した異色のボクサー。「ここまでこられなかったとしても、ボクシングを選んだことに後悔はない」。一途な気持ちは世界の舞台で花を咲かせるのか――。31日の大阪から目が離せない。