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[動画・公開練習]2014.11.24

ドネアが井上に攻略法伝授

ドネアが大橋ジムにやってきた
 前WBA世界フェザー級スーパー王者ノニト・ドネア(32=比/米)が24日、神奈川県横浜市の大橋ジムを訪れ、12月30日に東京体育館でWBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエス(39=亜)に挑む井上尚弥(21=大橋)に「ナルバエス攻略法」を伝授した。
ノニト・ドネア
 5階級制覇の実績を持つドネアは、22日のダブル世界戦の観戦と23日のマニー・パッキャオ(比)対クリス・アルジェリ(米)のゲスト解説を務めたあと、この日、大橋ジムを訪問した。井上が拳を交えるナルバエスは46戦43勝(23KO)1敗2分の戦績を誇るサウスポーの技巧派だが、このプロ唯一の黒星をつけたのがドネアだ。11年10月、両者は米国ニューヨークで戦い、3階級制覇を狙ったナルバエスを当時WBC&WBOバンタム級王者だったドネアがスピードとパワーで圧倒、大差の判定で退けた。ジャッジ三者が120対108と採点する完封劇だった。プロ8戦目に飛び級で2階級制覇を狙う井上にとっては、これ以上ないアドバイザーといっていいだろう。
攻略法伝授
 井上はナルバエスと同じサウスポーのマルコム・ツニャカオ(真正)と3ラウンドのスパーリングを行う前に、ドネアからいくつかのアドバイスを受けた。「ナルバエスはパワフルというわけではないが、パンチを繰り出すタイミングが巧み。相手の隙を探してくる選手なので、隙を見せずに戦う必要がある」「ナルバエスは自分のペースで戦うと能力を発揮するが、相手にスピードやパワーがあると分かると守りを固める傾向がある」「ナルバエスは低い姿勢から懐に入って来ようとするので、グローブで抑え込むことも有効」などなど。さらに「尚弥が右ストレートを打つのに合わせて右ジャブを返してくるはず。当たらない距離に出ることが大事。この試合のカギは距離感だと思う」と話した。
ツニャカオとのスパー
 こうしたことを念頭に置いて井上がスパーに臨むと、途中で右アッパーを打つことをアドバイス。井上が何発かタイミングよく右アッパーを繰り出すと「オーケー、オーケー」と声をかけ拍手をしたほどだった。「しっかり自分で考えて動いているし、このまま練習をやっていけば勝てる。特に彼は右アッパーがいい」と、飛び級での2階級制覇に太鼓判を押していた。
ドネアも太鼓判
 5階級制覇王者から「ナルバエス攻略法」を伝授された井上は「自分でも策は練っていたが、それが間違っていなかったと確信できた。ただ、自分では突破口は右ストレートと考えていたが、それに相手が右を合わせてくるということは想定外だった。正確な攻撃、守備パターンを教えてもらい、大きな収穫になったし自信も増した。気になるのは相手のキャリアぐらい」と笑顔をみせた。
あと36日後
 世界戦だけで30戦を経験している39歳の熟練王者と、7戦全勝(6KO)の21歳の若武者。興味深い世界戦まで36日に迫ってきた。