[試合結果]2014.11.23
ゾウ 世界3位を4度倒す
試合後のゾウ
08年北京大会、12年ロンドン大会と五連連覇の実績を持つゾウ・シミン(33=中国)は23日、中国特別行政区マカオのコタイ・アリーナでWBO3位のクワンピチット・ワンソンチャイジム(33=タイ)と対戦し、計4度のダウンを奪って12回判定勝ちを収めた。
出血にも屈せず完勝
この試合はセミファイナルのフライ級ノンタイトル12回戦として行われた。五輪連覇の実績を持つゾウに対し、クワンピチットはWBO3位の肩書を持っている。パッキャオに酷似の小柄なクワンピチットが圧力をかけ、長身のゾウが捌きながら迎撃する展開となった。2回、ゾウは右のカウンターでダウンを奪い、再開後、右フックのカウンターでダウンを追加。さらに連打を浴びせたところでラウンド終了のゴングが鳴った。構えを頻繁に左右に変えながら戦うゾウは4回と5回にもチャンスをつかんだが、ダウンに結びつけることはできなかった。6回、クワンピチットはローブローで減点を科されるなど苦しい状況に拍車がかかった。再開後、ゾウは押し込むようにしてダウンを奪ったが、ここでも詰め切ることはできなかった。8回、バッティングでゾウが左目上に裂傷を負ったが、試合は続行された。その後も何度かゾウはチャンスをつかんだが、そのたびに反撃にもあった。最終回、右を決めてこの試合4度目のダウンを奪ったゾウだが、自身も左目上を大きく腫らすなど内容的には決して楽な戦いではなかった。採点は119対106が二者、もうひとりは120対103だった。来年2月、IBF王者アムナット・ルエンロエン(タイ)への挑戦を計画しているゾウは6戦全勝(1KO)。クワンピチットは30戦27勝(12KO)3敗。
アンダーカードではレックス・ツォー(香港)が登場、エスピノス・サブ(インドネシア)に8回判定勝ちを収めている。スーパーフライ級でWBA11位、WBC9位、IBF10位、WBO3位にランクされるツォーは15戦全勝(9KO)、サブは15戦11勝(5KO)3敗1分。また、IBF世界スーパーフライ級4位にランクされるジェルウィン・アンカハス(比)は、ファドヒリ・マジハ(タンザニア)に3回KO勝ちを収めた。22歳のアンカハスは24戦22勝(14KO)1敗1分、これで9連続KO勝ちとなった。マジハは26戦15勝(7KO)7敗4分。