ボクシングモバイルニュース
[試合後会見]2014.10.14

台風の目

若武者同士の激突
 13日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ・DANGAN113」。ほぼ満席となった会場の中、メインイベントの「日本Sフェザー級タイトルマッチ」が行われた。2度目の防衛戦となる無敗の王者・内藤律樹(E&Jカシアス)に、ここまで6連勝と勢いに乗る、江藤3兄弟の末弟、江藤伸悟(白井・具志堅)が挑んだ。
内藤律樹が防衛成功
 王者の左を警戒し、細かく体を動かし先手を取りに行く江藤に対し、内藤も速いリードで対応。ともに一発には繋がらないが、開始から緊張感のある立ち合いとなった。2Rは開始早々に江藤のストレートが王者の顔面を捉える。好調を伺わせる江藤に、内藤も決して慌てることなくジャブを突き、要所で左を当てる。5Rまでの途中採点は、2~3P差でジャッジ三者とも王者を支持。この採点を聞いてペースを上げた江藤だが、内藤もジャブ、左ストレートで迎え撃ち試合は一層白熱する。7Rには江藤の右フックが決まり腰を落とした内藤に襲い掛かるが、追い込まれた内藤もスウェー、ヘッドスリップでこれをかわし、ゴングまで逃げ切る。江藤は続く8Rも攻めに出るが、内藤は体のバネを生かしては挑戦者の入り際に右のショートを合わせ、致命打は与えられないまでも主導権を渡さず、息を吹き返す。終盤、倒すしかない江藤は右ストレート、左フックで内藤に襲いかかるが、内藤の足も最後まで衰えず。体を入れ替えてはフック、ボディを打ち込みラストまで倒そうとの姿勢を見せた。決着は判定へ、ジャッジ三者が内藤を支持し防衛成功。内藤は11戦全勝となった。
さらなる成長に期待
 控室に戻った内藤は「疲れました。勢いのある選手だったので、そこにはまってしまった。最初にリズム乗れず、乗ったと思ったら6Rのフックで止まってしまった。7Rも効きました。もっと、ストレートを打ってくると思った。距離が遠かったし、低く入ってきたのが一番の誤算でしたね。鼻のカットは、折れたのかと思いました。アクシデントを乗り越えたという意味で、やって良かった試合でした。倒すことを意識し過ぎて、最初から勝負にいってしまった。あまり倒そうと思うもんじゃないですね」と試合を振り返った。
もっと攻めたかった
 善戦が光った江藤は「もっと手数を出して打ち合いたかった。守りに入っていたと思う、もっと攻めたかった。挑戦者のくせに考えてしまった。しばらく休みたい」と試合を振り返った。内藤の印象について「やはり強かった」と明かした江藤は「負けたので反省と後悔しかないが、沢山の応援は嬉しかった。良い試合ができてよかった」と会見を締めくくった。