ボクシングモバイルニュース
[試合後会見]2014.9.6

五十嵐の復帰戦は…

五十嵐、新たなステージへ
 元WBC世界フライ級王者の五十嵐俊幸(30=帝拳)が1年ぶりにリングに復帰した。五十嵐は昨年4月に八重樫東(大橋)に王座を奪われたが、9月の再起戦では世界ランカーのオマール・ソト(メキシコ)を9ラウンドKOで下し再起に成功。しかし、練習中に左肩を痛め、その後の治療で長期休養を余儀なくされたが、リハビリに励み4月には練習を再開。五十嵐は今回、フライ級からスーパーフライ級に上げ、同じサウスポーのフィリピンランカー、レンレン・テソリオ(22=比)を相手に6日の後楽園ホールのリングに立った。
もう一度世界を
 試合後、久しぶりの試合で戸惑いがあった話した五十嵐だが、序盤は慎重に右ジャブで試合を組み立て、2ラウンドには左をヒットさせ心配された左肩の不安を拭った。テソリオも強打を振り回し、一時は五十嵐を後手に回したが、五十嵐は8ラウンドにもワンツーをまとめ、全般的に攻勢を印象づけた。9回に偶然のバッティングで五十嵐が右目上を負傷し、一旦は再開されたが傷が悪化したため、ここでストップ。結果は負傷判定となるも五十嵐が86-85,87-85,88-86の判定3-0で復帰戦を勝利で飾った。リング上のインタビューで五十嵐は、「今後はスーパーフライ級で世界2階級制覇を目指します」とファンにアピールした。
ハンサムボーイ
 敗れたテソリオは試合後、「ダメージはないし、自分が勝っていた試合だと思う。9ラウンドに倒したかった」とコメントを残した。
スーパーフライ級宣言
 一方、復帰に成功した五十嵐は右目上を5針縫い、会見に応じた。「感覚を取り戻すために前半は必要以上に慎重だった。決して満足のいく内容ではなかった」と話したが、「とりあえずジャブで組み立て、攻めるべきところは攻められた。相手も思った以上にパンチがあり、気持ちのある良い選手だったが、やりたいことはできた」と自身に及第点をつけた。肩の不安もまったくないとした五十嵐は、「(スーパーフライ級は)試合当日のコンディションが安定して、スタミナにも不安がない」と改めてフライ級卒業を宣言。今後については「一戦一戦、決められた試合をするだけ」と話し、新たな一歩を踏み出した。