ボクシングモバイルニュース
[試合後会見]2014.8.3

赤穂vs芹江の行方は…

左:芹江 右:赤穂
 元OPBF東洋太平洋スーパーフライ王者で世界4団体にランクされる赤穂亮(28=横浜光)と元日本スーパーバンタム級王者、芹江匡晋(31=伴流)の注目対決、バンタム級10回戦が2日、後楽園ホールで行われた。互いに強い相手を望んでの試合は、芹江がスタンスを広く取る独特の構えから、一気に前に飛び出し右ストレートを放てば、赤穂も素早く反応し、打ち終わりに右を狙った。
バッティングに多い展開となった
 しかし、両者ともパンチが大きく、赤穂がバッティングで苦しめば、芹江もローブローでかがみこむなど、両者の闘志とは裏腹に試合は度々中断する波乱の展開が続いた。後半に入ってもクリンチが多く、なかなか噛み合うことはなかったが、それでも両者の熱いファイトに場内は大興奮。応援合戦が最後まで続いた。バッティングに苦しんだ赤穂だが、序盤と終盤の有効打で上回り、最大4ポイント差の3-0で判定勝ち。力を出し切った両者は抱擁し、互いの健闘を称えた。
楽しんだのが良かったのか…
 試合後、「セコンドの指示は聞こえていたが、自分のボクシングをすることを楽しんでしまった。それを目指してもいたが、結果が出なかったことは、やはりそれだけではまずかったということ」と答えた芹江。次のステージに行けると思っていただけにショックも大きいようだが「負けて涙が出なかったのは初めて。これから少し休んで先のことを考えたい」とした。
試合後に健闘を称えた両者
 一方、「名のある選手に勝っていかないと世界には行けない」と、今回の芹江の挑戦を受けた赤穂は、「終始向こうのペースだった。今度戦ったら結果は分からない。今日は多くの勉強ができた」とリング上のインタビューに答えた。
しばらくは休みたいと赤穂
 控え室に戻り、改めて赤穂は「ある程度は覚悟していたが、顔の腫れやカットはすべてバッティング。効いたパンチはなかった。あそこまで突っ込んでくるとは思わなかったが、それを捌くなり押し返せないのはやっぱりフィジカルの差」とバンタム級での課題を上げた。それでも「きつかったが、精神的に成長できるキャリアになった」と収穫は得ていた。