[特集]インタビュー
2008.10.10

榎 洋之(角海老宝石)
WBA世界フェザー級4位


乾坤一擲
世界をその手につかめ!
 榎洋之の世界戦は涙から始まった。世界戦発表記者会見で、待ちに待たされた世界戦の決定に感激の余り榎は涙を流し、声を詰まらせた。WBA世界フェザー級王者クリス・ジョン(インドネシア)への挑戦は、まさに榎のボクシング人生の集大成となる一戦であろう。
 誰もが夢見る世界の舞台。榎は東洋太平洋フェザー級王座を奪取し、防衛を重ね、日本・アジア圏で無敵を誇るも自身の世界挑戦は遠い舞台と考えていた。しかし、榎は諦めず、心が折れる事無く東洋王座を守り、戦い続けて来た。そして遂に掴んだ世界王者への階段。10月24日、運命の日を控えた榎が、当サイトにその胸の内を語ってくれた。

□クリス・ジョンへの挑戦が決まった時の心境は?
「(世界を)やれると思わなかったから嬉しかった。それと同時に獲らなきゃいけないと。試合の2ヶ月前に決まって切羽詰まった状態だけど、ここは獲らないと。今、一生懸命練習して、世界戦に向けて、今、何をやらないといけないかと言う事も分かった。世界戦の決定が試合の3ヶ月前では長いし、考えてみると2ヶ月前が調度良い」

□42戦41勝1分22KOのクリス・ジョンをどう分析していますか?
「クリス・ジョンはボクシングが本当に上手い。何でも自分のものにする力が秀でている。でも、僕はあまり相手の事は気にしない。世界戦でも自分のボクシングをするだけ。勝つ為に自分のやってきた事を出すだけ、思いっきりやれば勝てると思う」

□どんな試合展開になると思いますか?あと、試合の注目ポイントは?
「僕は挑戦者。挑戦者らしく、クリス・ジョンにプレスをバンバンかけ、パンチをコツコツ当てて行きます。自分がいつもやっているボクシングをやるだけだし、余計な事を考えずに戦うだけ。ジャブを突いて、右をやれば良いかなって感覚です。あと、試合の注目ポイントは全部です(笑)プレッシャー、勝ちたい気持ち、やっぱりポイントは勝ちたい気持ちが一番ですね。絶対勝つ!!」

□世界戦に向けて、榎ファン、特に地元秋田にメッセージをお願いします。
「永く現役を続け、沢山の方達に応援され、支えられて来た。だからこそ長く我慢できたし戦ってこれた。10月24日は最高の結果を出し、ベルトを持って秋田に帰りたいですね。悔いなく、一生懸命やるだけです」

□最後に、榎選手にとってボクシングとは?
「絶対に止めなかったモノ、唯一止めなかったモノですね。何だかんだ言ってやってきたし、僕にとっては切っても切れない仲。楽しいからかな。ボクシングは奥が深いですから」

待たされ続けた男、ラストファイター榎洋之の拳が今、世界のリングで王者クリス・ジョンに炸裂する。未だ見ぬ世界の頂を制し、榎は世界王者として、その名を永遠に刻む事が出来るのか…。10月24日、榎が人生最大の岐路に立つ。

「ボクモバの目」
榎は今まで追われる者の立場でリングに上がり、得意の左ジャブで試合を築き、対戦相手を右ストレートで粉砕して来た。今回、榎は追う者の立場でリングに上がる。今までと逆転した立場で上がるリングで、榎はどう戦うのか?インタビューで榎は「自分のボクシング」と言う言葉を何度か繰り返した。世界のリングで「自分のボクシング」を貫いた時、必ずや新王者が誕生するだろう。

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