ボクシングだけでなく総合格闘技や柔道など体重制がベースとなる競技では、「もしも体重の壁がないと仮定し、同じ条件で戦ったとしたら誰が最強なのだろうか?」という極めてシンプルな疑問が湧くはずだ。それがパウンド・フォー・パウンド(P4P)の基本概念といえる。仮定評価の基準として、ある程度のスパンにおいてその選手が誰と戦い、どんな結果を出したか、という点が重要視されることになるのはいうまでもない。よってP4Pはボクサーの総合的な評価、あるいは総合偏差値という見方もできよう。
しかし、P4Pはあくまでも仮定の話であり、そこには明確な物差しがあるわけではない。大雑把な言い方をすれば独自の仮想最強ランキングといえるかもしれない。
今回の投票では、長谷川穂積(真正)がダントツの1位という結果が出た。4月にフェルナンド・モンティエル(メキシコ)に敗れたものの11月にフェザー級で戴冠を果たしたばかりとあって、そのインパクトが強かったのだろう。P4Pの本質とはやや異なる知名度、人気度といった面の後押しもあったと考えられる。
2位の内山高志(ワタナベ)は世界戦3連続KO勝ち、3位の西岡利晃(帝拳)は4連続KOを含むV5が効いている。
6人の現役世界チャンピオンが存在するなか、亀海喜寛(帝拳)が22票を集めて上位に食い込んだ。まだ世界レベルでの実績は乏しいが、期待度の高さを感じさせる。
(特別顧問:原 功)
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