河野「絶対に勝つ!」

　今月26日(水)、後楽園ホール開催のWBA世界スーパーフライ級王座決定戦で同級1位(暫定王者)、元WBA世界フライ級王者のデンカオセーン・カオウィチット(37=タイ)とベルトを争うこの王座の前々王者で同級2位の河野公平(33=ワタナベ)が20日、都内の所属ジムで練習を公開した。

　練習前の会見で河野は「やることは全てやった。世界戦はモチベーションが違う。早く試合がしたい」と逸る気持ちを抑えつつ、昨年5月の初防衛戦でリボリオ・ソリス(ベネズエラ)に僅差判定で敗れたことも含め「悔しさをこの試合にぶつけたい。僕は気持ちでここまで勝ってきた。そこだけは負けたくない」と言葉を強めた。

　これまでマススパーリングのパートナーを務めてきた高橋トレーナーは「キレとスピードが増し過去最高の仕上がり」と太鼓判。またキャリア60戦を超える「タイの英雄」デンカオセーン対策として「クリンチを捌くこともだいぶできるようになってきた。前半はボディを叩き、後半に相手が失速してきたところでチャンスがあれば倒しに行きたい」と自信を深めた。同席した渡辺均会長も「河野は30歳を過ぎて成長している。気持ちが本当に強い」と期待をかけると、王座獲得を前提に先のプランにも話がおよんだ。「まだ問題はあると思うが、防衛戦はビッグネームと組みたい」とし、スーパーフライ級で4階級制覇を目指す亀田興毅(27=亀田)の名前を出した。

　この試合に向けて早くから準備を進めてきた甲斐もあり、いつもは減量に苦しむこの時期も昨日の時点で53.7kgとリミットまであと1.6kgと順調さをキープ。この日はシャドーから始まり、プレス、手数重視のマススパー、ミット打ちなど10Rを超える練習でたっぷりと汗を流した。

　4度目の世界挑戦を実現してくれた会長、および高橋智明トレーナー、家族の支えに「一人で戦っているんじゃないと改めて気づかされた」と感謝を表し、練習を見に来ていた母・久子さんが「悔いのないように力を出し切ってほしい。必ずベルトを巻いてリングから降りてきてくれると思う」とエールを送ると、母の言葉に河野も「絶対に勝ってみせる!」と力強く返した。なお、明日は同ジムでデンカオセーンの練習が公開される。