女子の枠を超えた激突

　今月13日(水)、後楽園ホールで激突するWBA女子世界スーパーフライ級王者の山口直子(35=白井・具志堅)と元WBC女子世界ミニフライ級王者で現WBAスーパーフライ級2位の藤岡奈穂子(38=竹原&畑山)が7日、ともに都内の同じジムで公開練習を行った。

　時間差で行われた公開練習は、先に山口が同門の星野真生(13戦3勝8敗2分)と2分2ラウンドのスパーリングを披露。まだ2kgある減量の疲れからか軽めに流してのスパーとなったが、男子を相手に押し込まれることなく、ジャブから右クロスの感触を確認。スパー終了後、日頃から山口の相手を務めるライトフライ級の星野は「男子にも引けを取らない山口さんにはいつも驚かされる。良い感じに仕上がっていますね」とコメントした。

　会見でコンディションの良さをアピールした山口は、「最高の試合になると思う。女子ボクシングの枠を超えた迫力のある試合にしたい。ビッグマッチの雰囲気を楽しみます」と意気込み、本番に向けてモチベーションを上げていた。

　同席した具志堅用高会長も「今年の女子最高試合に選ばれる試合になると思う。確実に防衛して来年を迎えたい」と期待。山口を見続けている新井誠介トレーナーは当然、藤岡のスピードと踏み込みの速さを警戒したが、「これまでに練習してきたことを出せれば、早いラウンドでの決着もある」と自信もうかがわせた。

　スパー終了後、2Rのサンドバック打ちで汗を流した山口は、この後に控えていた藤岡とニアミス。2人は笑顔で挨拶を交わしたが、山口は「後はコンディションづくりに専念するだけ」と藤岡の練習を見ずに引き上げ、見えない火花を散らしていた。