内山&河野が好調アピール

　ワタナベジム所属のWBA王者ふたりの防衛戦が2日後に迫ってきた。4日にはスーパーフェザー級王者の内山高志、挑戦者のハイデル・パーラ(ベネズエラ)、そしてスーパーフライ級王者の河野公平、暫定王者で同級1位のリボリオ・ソリス(ベネズエラ)の4人が揃って都内で予備検診に臨んだ。宿敵と顔を合わせた内山は「(日本には世界王者が多いので)いい試合をしないと忘れられてしまうので、印象に残る試合をする」とコメント。河野も「ガンガン打ち合いたい」と試合が待ちきれない様子だった。

　検診を終えて最初に会見に臨んだのは内山だった。10年1月の戴冠から3年3ヵ月、これが7度目の防衛戦になる。マスコミからの要請でパーラと向かい合っても無表情でやり過ごした。いつもどおり減量幅が小さいこともあってか、コンディションは申し分ないという。挑戦者の印象を尋ねられても「精悍な顔だなと。イメージしていたよりも身長が小さいですね」と気にした様子は感じられなかった。胸囲が100センチに達したが「意識はしていないけれど、少しずつ体が大きくなっているんですかね」と感想を口にした。

　続いて21戦20勝(10KO)1分の挑戦者パーラが着席。両耳につけられた大きめのピアスが違和感を抱かせたが、本人はときおり笑顔を浮かべながら会見に臨んだ。内山が身長で4.5センチ、リーチで6センチ勝るというデータにも「関係ないよ」と一蹴。「自信はあるよ。絶対に勝つと信じている」と加えた。

　河野とソリスの間にはピリピリしたムードが漂っていた。マスコミの要望で暫定王者と視線を合わせた河野は「(ソリスは)がっしりしていて強そうですね。相手からは『倒してやる』という感じを受けたが、すべてはリングの上でやること」と、さして気にした様子は見られなかった。頬の肉が削げ落ちた印象だったが「いつもどおり減量はうまくいったので、早く試合をしたい」と2日後に意識を向けた。展開を聞かれると「打ち合いになると思います。ガンガン打ち合いたいですね」と初防衛に自信をみせた。

　一方、キャップと靴を赤で揃えたソリスは、虚勢なのか純粋な自信の表れなのか足と腕を組んだまま会見に臨んだ。「河野のことを怖れてはいないよ。体のサイズも思っていたとおりだし、タイトル(正規王座)を奪う自信はあるよ」と不遜ともとれる態度のまま言い放った。傍らのセルソ・チャベス・トレーナー(パナマ=渡辺二郎に挑戦して15RTKO負け)も「河野は優れたファイターだが、ソリスは最高のコンディションをつくったので必ず勝つよ」と加えた。

　4選手は明日5日の計量を経て、6日に大田区総合体育館のリングで対峙する。

■予備検診のデータ
内山高志
身長:172.5�p
リーチ :181.0�p
首回り: 37.0�p
胸囲:100.0�p
視力:左1.5右1.5
血圧:119/75
脈拍:52/分
体温:36.4℃

ハイデル・パーラ
身長:168.0�p
リーチ :175.0�p
首回り:36.0�p
胸囲:88.0�p
視力:左1.5右1.5
血圧:125/64
脈拍:68/分
体温:36.9℃

河野公平
身長:167.0�p
リーチ :170.0�p
首回り:36.0�p
胸囲: 87.5�p
視力:左1.5右1.5
血圧:128/79
脈拍:63/分
体温:35.7℃

リボリオ・ソリス
身長:163.0�p
リーチ :176.0�p
首回り:38.0�p
胸囲:87.0�p
視力:左1.5右1.5
血圧:164/84
脈拍:51/分
体温:36.4℃