経験の差で倒す!?

　5月8日にWBA世界ライトフライ級王者・井岡一翔(井岡)に挑戦するヴィサヌ・ゴーキャットジム(タイ=53戦43勝13KO8敗2分)は3日、公開練習を井岡ジムで行った。今回の挑戦者は、世界2階級制覇チャンピオン井岡の戦績を大きく上回る53戦の経験の持ち主とあって、来日の翌日にもかかわらず、余裕の表情を見せた。

■WBA世界Lフライ級タイトルマッチ12回戦
王者・井岡 一翔(井岡)VS挑戦者ウィサヌ・ゴーキャットジム(タイ)
■日時:5月8日(水)
■会場:大阪府ボディメーカーコロシアム
■お問合せ:井岡ジムTEL.06-6562-2020

　ボクシング大国タイが誇る歴戦の雄、ヴィサヌはリラックスした様子で井岡ジム入りすると練習前に報道陣の質問に答えた。「日本はとても綺麗で大好きだ」と無表情で最初の質問に答えると、現在のコンディションを「100%仕上てきた、バッチリです」と漸く笑顔を見せた。

　「井岡は、強い、上手い、そして頭の良いボクサーだと思う」とチャンピオンの印象を語ると、一番警戒する点について「右ストレートと左アッパー」と、それまでのクールな表情が一転、厳しい目つきで「井岡対策は秘密だが、150Rのスパーリングと厳しい練習を積み重ねて来たので自信はある。自分はリングに上がった経験が井岡よりもはるかに多い、経験の差で6R、7Rあたりで倒したいと思う」と自信を見せた。

　会見に同席したソムシャーイ・トレーナーは「ヴィサヌの右ジャブを見て欲しい。速さに井岡はついて来れないだろう」と試合の組み立ては右ジャブからと明かした。　
　最後に意気込みを聞かれたヴィサヌは「100%勝ちます。リングの中で証明します。当日は応援よろしくお願いします」とファンに向けてコメントを残し練習の準備に入った。

　サウナスーツに着替えたヴィサヌは、公開練習で、ロープを10分ほど飛び体を温めるとリングへ上がり、3分のシャドーボクシングをした後、グローブを付けて2Rのミット打ちを披露した。
　「本気ではない」と言いつつも、小気味良いミット音を鳴らした右ジャブは、キレとスピードを感じさせた。更にサンドバック打ちでは、回転の早いパンチを1R打ち、この日の練習を終えた。

　ヴィサヌの練習を見守った井岡一法トレーナー兼プロモーターは「右ジャブより左ストレートの方がキレてるし、警戒せなアカンと思います。ビデオでも見たけどキッチリ仕上がってるんやないですかね。一翔は会場の雰囲気も考えてKO出来たらいいと言っていたし、中盤から後半に相手の出方を見てKO出来たらええでしょ」と息子であり愛弟子である一翔のノックアウト勝利に太鼓判を押した。